2018年次総会「まさにこれだ!」 - アンソニー・モリス

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ところで 、ウォーウィックの新しい展示物を紹介した動画はとても興味深かったですね。

フレッド・フランズ兄弟の声も聞きました。

兄弟は、フェルディナント大公の暗殺について述べてから、こう言われました。

「さあ、いよいよだ!」

待ち望んでいた時が来たのです。

感動的ですね。

でも批判的な人は、次のように言うかもしれません。

「だけど、あなたたちが起きると言っていたのに、結局起きなかったこともありますよね」

しかし1914年については、一般の人たちでさえ特別な年だと認めていたのです。

その証拠に、長年取っておいたものをお見せします。

「ザ・ワールド・マガジン」という新聞です。

当時は広く読まれていましたが、1931年頃に廃刊になったかと思います。

こうあります。

「1914年にすべての王国は終わる―『千年期黎明派』25年間の預言」

この記事は、多くの人に読まれ、他の新聞でも取り上げられました。

「欧州における恐るべき戦争のぼっ発は、異例な預言の成就となった。過去四半世紀の間、『千年期黎明派』としてよく知られる『国際聖書研究者』は、伝道者や出版物を通して、聖書に預言された憤りの日は1914年に明けるであろうと世界にふれ告げてきた。『1914年に注意せよ!』というのが、旅行する幾百人の福音宣明者の叫びであった」。

当時のエホバの証人について述べている、1976年の「年鑑」のこの言葉はたいへん印象的です。

「1914年に対して寄せられていた大きな期待が実現したことに比べると、同年に天へ行くことが失望に終わったのは、実際たいした問題ではありませんでした」

1914年の最初の6か月は何も起きず、彼らはあざけられましたが、その後なんと例の大公が暗殺されたのです。

この新聞が発行されたのは、1914年8月30日です。

第一次大戦では、おびただしい数の人が犠牲になりました。

その当時フランズ兄弟の語った言葉をヒントにしたのが、この話の主題「まさにこれだ!」です。

ここで、考えたい点があります。

これから先に、いえ、現在でも、聖書預言が成就するのを見て、「まさにこれだ!」と興奮のあまり声を上げるときが来るのでしょうか?

最初に考慮したいのは、ダニエル 11章です。

ダニエル 11章を見てみましょう。

40節、その前半です。

「終わりの時に、南の王は彼[つまり北の王]と押し合う」

統治体は、近年起きている事柄について理解が得られるよう、助けをエホバに祈り求めてきました。

ご存じのように、1991年にソビエト連邦は崩壊しました。

では、「北の王」は現在だれでしょうか?

エホバに導きを祈り求め、「押し合う」ことについて考慮した結果、北の王はロシアとそれを支持する国々であると、はっきり言うことができます。

その理由をお話ししましょう。

ソビエト連邦は解体されました。

そして、ロシアとそれを支持する国々がソ連に取って代わりました。

これらの国々に関して、注目に値する2つの点が明らかになってきました。

まず、ロシアとそれを支持する国々は、南の王と押し合い続けています。

この点は後で詳しく話します。

2つ目に、それらの国々は神の民への迫害や反対を先導しています。

さて、押し合うことについてですが、それには、最新テクノロジーを駆使したスパイ活動、サイバー攻撃、貿易戦争、周辺の国々にみなぎりあふれて侵攻していくことなどが含まれます。

皆さんも、こうした事柄が繰り返し報道されていることにお気づきでしょう。

ですから、北の王は活動を休止していたわけではないのです。

むしろ、かつてない勢いで南の王と押し合っています。

まさにこれです!

現在、北の王はロシアとそれを支持する国々であり、南の王と押し合っているとはっきり言えます。

事実、ロシアは9月に、最大規模の軍事演習を行ないました。

これほどの規模のものは、旧ソ連が1980年代に実施して以来ありません。

この演習に、ロシアを支持する国も参加しました。

それで、「まさにこれだ!」と確言できます。

これこそ北の王の実体であり、南の王と押し合っている現在の状況なのです。

では、この先、忠実な奴隷が再び聖書預言の成就を指摘して、「まさにこれです」と言う時が来るのでしょうか?

わたしたち皆がよく知っている預言の1つを考えてみましょう。

今、ここニューバーグにいらっしゃる皆さんは真理に長いですので、とりわけよくご存じの預言です。

テサロニケ第一 5:2, 3を読んでみましょう。

5章2, 3節。

「エホバの日がまさに夜の盗人のように来ることを、あなた方自身がよく知っているからです。人々が、『平和だ、安全だ』と言っているその時、突然の滅びが、ちょうど妊娠している女に苦しみの劇痛が臨むように、彼らに突如として臨みます。彼らは決して逃れられません」

この聖句について、以前の記事に載せられていた説明を、振り返ってみたいと思います。

「ものみの塔」2012年9月15日号です。

「この場合の『エホバの日』とは、偽りの宗教の滅びをもって始まり、ハルマゲドンの戦いで終わる期間のことです。しかし、そのエホバの日が始まる直前、世界の指導者たちは『平和だ、安全だ』と言っています。これは一つの出来事のことかもしれず、一連の出来事のことかもしれません。諸国家は、幾つかの大問題は間もなく解決できると考えるのでしょう」

ここで、こんなふうに疑問に思う方もおられるかもしれません。

「忠実な奴隷は、ある時点でこのように明言するだろうか。『まさにこれです!これこそ、待ち望んでいた「平和だ、安全だ」の預言の成就です』」

では、「ものみの塔」2004年2月1日号の21ページには、何と述べられていたでしょうか?

「聖書預言は、多くの場合、成就してから、あるいは成就の途上でなければ十分に理解でき……ません」

興味深いですね。この点を思いに留めましょう。

後ほどまた考慮しますが、確かにこの「ものみの塔」のコメントどおりなのです。

預言はたいてい、実現して初めて十分理解できるようになるものです。

ある出来事について少し取り上げてみましょう。

皆さんの多くは、人生経験も真理にも長いので、その時のことを覚えておられると思います。

1986年にどんなことが起きたでしょうか?

国際連合は、1986年が始まる前から、その年が特別な年になるので準備するよう促しました。

そして、1986年を「国際平和年」と定め、せめて1年は戦争をしないよう呼びかけたのです。

「うわぁ」

当時真理におられた皆さんは、その後の進展を見守られたことでしょう。

人々は期待していました。

実際、当時のローマ法王は、さまざまな宗教の指導者たちをイタリアのアッシジに集めました。

それぞれが思い思いの神に祈り、熱烈に世界の平和を願い求めました。

こうした進展に対して、忠実な奴隷はどうしたでしょうか?

当時のエホバの忠実な奴隷は、思慮深い態度を取りました。

「ものみの塔」1985年10月1日号の18ページに述べられています。

1986年の出来事が始まる何か月か前に発行された記事ですが、こうありました。

「クリスチャンは大患難が臨む正確な時を前もって述べることはできません。[そのとおりですね]エホバは『その日または時刻』を明らかにはされませんでした。ですから、例えば国際連合が1986年を『国際平和年』と宣言する時、クリスチャンは事態の進展を興味を持って見守りますが、これが……パウロの言葉の成就となるかどうかを、前もって述べることはできません」

わたしたちは見張りを怠らず、聖霊は神の民、とりわけ忠実な奴隷を導きました。

彼らは忠実なだけでなく思慮深いので、決して、「まさにこれだ!これこそテサロニケ第一 5章の成就だ」と言いませんでした。

まだテサロニケ第一 5章をお開きでしょうか?

注目したい点がありますので、もう一度見てみましょう。

4節です。

2節と3節だけ読むことも多いですが、4節にはこうあります。

「あなた方は闇にいるのではありませんから、盗人たちに対するように、その日が不意にあなた方を襲うことはありません」

盗人は闇の中で盗みを働きますが、わたしたちは光の子です。

真の神を崇拝し、その組織の地上の部分に従っている忠実な民なので、不意を突かれることはありません。

ここで質問が生じます。

先ほど引用した2004年の「ものみの塔」には、預言は「成就してから」、あるいは「成就の途上」でなければ十分に理解できない、とありました。

では、忠実な奴隷は、テサロニケ第一に記されている預言が「成就する途上」でこう語るのでしょうか?

「まさにこれです!これが待ち望んでいた出来事です」

まあ、そのうち分かるでしょう。

でもわたしたちは皆、不完全な人間ですから注意が必要です。

ずっと見張っている必要はありますが、すぐに惑わされないでください。

世界のリーダーが平和について、これは!と思える発言をしても、メールやSNSを使って、「まさにこれが成就だ!」と伝えないことです。

そうした判断は、エホバが用いておられる経路にゆだねましょう。

忠実な奴隷が聖霊に動かされて語るとき、それがエホバのご意志に沿った理解なのです。

すぐに惑わされないでください。

エホバの方法にしっかり従いましょう。

従順なあなたをエホバは祝福されるでしょう。

それでは人々が「平和だ、安全だ」と言っているときに、エホバの日が始まることを思いに留めつつ、啓示 17章を開きましょう。

興奮を誘う記述です。

良く知っている部分ですが、読むと心が奮い立ちます。

17章15, 16, 17節です。

「あなたの見た水、娼婦[つまり偽りの宗教の世界帝国]が座っているところは、もろもろの民と群衆と国民と国語を表わしている。そして、あなたの見た十本の角また野獣、これらは娼婦を憎み、荒れ廃れさせて裸にし、その肉を食いつくし、彼女を火で焼き尽くすであろう。神は、ご自分の考えを遂行することを、彼らの心の中に入れたからである。すなわち、彼らの王国を野獣に与えて、彼らの一つの考えを遂行し、神の言葉の成し遂げられるに至ることである」

これから生じようとしている出来事です。

想像を絶するような進展ですね。

今のところ、偽りの宗教を滅ぼそうとしている政府はありません。

ところがエホバは、サタンの体制の中で、ある特定の部分が別の部分を滅ぼすように仕向けるのです。

全能の神にしかできないことです。

それで、諸政府が実際に大いなるバビロンを滅ぼすようになり、地球規模でそれが生じるとき、もう「ニュース速報」は必要ないでしょう。

世界中で皆さんは、「まさにこれだ!大患難が始まった」と声を上げるのです。

大患難が始まり、預言が次々と実現していく中、不安に感じる時があるかもしれません。

しかし、おびえることはありません。

むしろ、身をまっすぐに起こし、頭を上げ、こう言うのです。

「まさにこれだ!救出の時が来た」

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