これまで長年、ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会の年次総会が開かれてきました。
1885年1月以来ずっとです。
これまで米国のさまざまな州で、1983年には英国で開かれました。
今回、2020年の法人総会は、ビデオ会議で開かれました。
聖書に基づく話は録画され、世界中の兄弟姉妹に配信されます。
これは歴史的な年次総会です。
過去にも、歴史的な年次総会がありました。
例えば、1944年10月2日、ピッツバーグで開かれた年次総会で、ペンシルバニア法人の会員は定款改正のための6つの決議を採択しました。
それまで定款は、協会に資金面で援助をした人たちに投票権を与えていましたが、改正第3条によってその条項は削除されました。
それ以降は、王国の活動のために金銭面でどれだけ寄付をしたかに関係なく、エホバに全くの専心を示す人たちが協会の理事を選出するようになりました。
1944年のこの歴史的な年次総会の後にも、重要な質問が残りました。
統治体は当時、ペンシルバニア法人の7人の成員から成る理事会と同一視されていましたが、それは、統治体を構成する天に行くよう選ばれたクリスチャンが、7人を超えることはないという意味なのでしょうか?
また理事は法人の会員によって選出されていますが、それは、法人の会員が毎年の年次総会で、統治体の成員を選出していることになるのでしょうか?
ペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会の理事や役員は、統治体の成員と同一なのでしょうか?
それとも異なるのでしょうか?
そうした点はやがて明らかになりました。
1971年10月1日に開かれた年次総会で答えが与えられました。
これも歴史的な年次総会です。
その時話し手の1人は、統治体がペンシルバニア州のものみの塔聖書冊子協会よりも何百年も前から存在していることを指摘しました。
エホバやエホバの組織の地上の部分に反対する人たちは、「1世紀には統治体はなかった、だから、今も統治体など必要ない」と言います。
しかし実際には、統治体はペンシルバニア法人が設立されるより18世紀余り前の西暦33年のペンテコステの時に存在するようになりました。
当初、統治体は12人の使徒で成っていました。
その後増員されたようです。
「エルサレムにいる使徒や長老たち」が教え導くようになりました。
では、どんなことがあったか、「使徒の活動」を見てみましょう。
15章の記録です。
以前は12使徒がさまざまな問題を扱っていましたが、この割礼に関する問題が諸会衆で生じた時はどうだったでしょうか?
使徒 15:2です。
「それで、パウロとバルナバとその人たちとの間でかなりの対立と議論が生じた。この件で、パウロとバルナバと何人かが、エルサレムにいる使徒や長老たちのもとに上ることになった」。
この問題は1世紀の統治体が扱うことになりました。
使徒たちだけで扱ったわけではありません。
エルサレムにいる使徒や長老たちが扱ったのです。
1世紀に、統治体の指示に従うことによって、どんな良い結果になりましたか?
今日はどうですか?
使徒 16:4, 5には指示に従った結果が書かれています。
こうあります。
「一行は幾つもの町を通って、エルサレムにいる使徒や長老たちが下した決定を守るように伝えた。[次です]こうして、会衆は信仰を強められ、日々、人数が増えていった」
素晴らしいですね。
統治体はありました。
1世紀には王国の活動を行うために法人は必要ありませんでした、
でも、確かに統治体は必要でした。
統治体は状況が許す限り、これからも法人を使います。
たとえ法人が政府によって解体されても伝道活動は続けます。
今でさえ、活動が制限され、法人がない国々もあります。
それでも王国のメッセージは伝えられ、人々を弟子とする活動は行われ、弟子の数は増えています。
感染症が広まる今の時期にも伝道は行われています。
世界中から良い報告が寄せられています。
ここに、ウォーウィックベテルの2人の長老に確認した経験があります。
励みになると思います。
いろいろな良い経験がありますが、その1つです。
米国各地で病院を経営している組織がありますが、その病院の多くはコロナ対応に追われています。
この組織は、自分たちの病院の第一線で働く2人の医療従事者のインタビュービデオを作ることにしました。
インタビューに選ばれた2人の看護師はどちらも兄弟でした。
家族の写真を提供してほしいと言われ、感染症が流行する前に、大会ホールの楽園の絵の前で撮った写真を渡しました。
インタビューの責任者の女性は、兄弟にそれが何の絵だか分かると言いました。
兄弟は「エホバの証人ですか」と聞きました。
女性は「違います。でも以前勉強していました。そして真理だと思っています。終わりが近いとも感じています」と言いました。
兄弟は女性に、「実は、昨日インタビューを受けた看護師もエホバの証人なんですよ」と言いました。
女性の目に涙があふれました。
女性は「お二人ともエホバの証人だったんですね。それなら納得です」と言いました。
「雰囲気も前向きな考え方もちょっと違うなと思っていたんです」
「エホバの証人と、また聖書を勉強したい」 とも言いました。
感染症が流行する中、この女性や他の大勢の人が真理を学ぶよう祈っています。
こうしたことが生じているのは、エホバの証人が植え、水を注ぎ、神が「成長させ」ているからです。
全ての栄光を受けるべきなのはエホバです。
2019年の年次総会で、ラマポのプロジェクトが発表されました。
今回の年次総会でも、忠実な奴隷がペースを落としていないことが分かるでしょう。
エホバが「伝道は終わった」と言う時まで、行うべきことはたくさんあるのです。
エホバは引き続き、信仰を強めるのに必要なものも、生きていくのに必要なものも、与えてくださいます。
エホバとイエス・キリストは、これからも必要な導きを与え、伝道活動を成し遂げられるよう助けてくださるでしょう。
与えられた務めを最後まで果たせるよう、エホバに聖なる力を求めましょう。