2020年の年句は、伝道に関する聖句でした。
行って、人々を弟子とし、バプテスマを施しなさい。
この年句に基づき、統治体は「ものみの塔」の幾つかの研究記事で、宣教について取り上げるよう指示しました。
特に、聖書レッスンを行うことについてです。
今年の夏の地区大会では、2日目のプログラムのほとんどが、人々を弟子とする活動についてのものでした。
なぜですか?
私たちは聖書レッスンを報告するだけでなく、人々を弟子としたいと思っているからです。
それがイエスの命令です。
行って、人々を弟子とし、バプテスマを施しなさい。
聖書レッスンの数はとてもたくさん報告されています。
世界中で、1000万件ほどの聖書レッスンが行われています。
1件の聖書レッスンでも、何人か一緒に勉強している場合があります。
ですから実際には、1200万から1500万人ほどが聖書を学んでいることでしょう。
では、「人々を弟子と[する]」点ではどうでしょうか?
毎年、20万から30万人がバプテスマを受けています。
ですから比較すると、聖書レッスンの数に比べて弟子になる人の数が少ないことが分かります。
統治体はこれまで、こうした実情を気に掛けてきました。
どうしてこれほど多くの人が、エホバに仕える決定をしないのだろう、と考えました。
皆さんも幾つかの理由が頭に浮かぶでしょう。
ある人たちは、聖書を学ぶことが好きですが、聖書の教えを実践するという面では気が進まないようです。
自分の生き方を大きく変化させようとはしません。
1冊か2冊の本を勉強しているのに、集会にはほとんど来たことがありません。
せいぜい1回、記念式に来たぐらいです。
こうした人々のことを考えると、エホバがイスラエル人に言ったことを思い出します。
エゼキエルの時代です。
エゼキエル 33章をお開きください。
32節を読んでみましょう。
当時のイスラエル人について述べられていますが、今聖書を学んでいる人の中にも、この記述がぴったり当てはまる人がいるでしょう。
エゼキエル 33章。開けましたか?
32節を読みます。
「あなたは彼らにとって、弦楽器の巧みな演奏に合わせて美しい声で歌われる、情熱的な愛の歌のようだ。[次です]彼らはあなたの言葉を聞くが、誰も行動しない」
聖書を学んでいる人の中にも、こういう人がいませんか?
もしかすると、聖書レッスンが定期的に行われていないのかもしれません。
聖書を学んでいる人、あるいは伝道者がよくキャンセルするかもしれません。
定期的に勉強していなければ、なかなか進歩することはできないでしょう。
あるいは学んでいる人が進歩しなくても、聖書レッスンを中止するとはなかなか言い出せないのかもしれません。
こう思う兄弟姉妹もいます。
「このレッスンを中止したら聖書レッスンがなくなってしまう。それは困る」
聖書を学んでいる人が進歩するよう助ける必要があります。
でもそれは簡単ではありません。
どうしたらいいんだろう、と思いますか?
考えるべきことはいろいろあります。
例えば いつから祈りを始めたらよいか、組織についてどのように話したらよいか、いつ集会に招待するか、もし集会に出席しなかったらどうするか、といったことです。
反対に備えさせる。これも難しいです。
あまり早く持ち出すと、怖がるかもしれません。
遅過ぎると手遅れになります。
伝道についてはどうですか?
学んでいることを他の人に伝えるよう、どのように励ますことができるでしょうか?
いろいろなことがあります。
それだけではありません。
たばこのような悪い習慣をやめるよう援助する必要もあります。
援助していく上で役立つものがあれば、素晴らしいと思いませんか?
こういうことも考えますか?
「学んでいることが相手の心に響くようにするにはどうしたらいいだろうか? エホバをよく知るようになってほしい、愛するようになってほしい、エホバとの温かで親しい関係を築いてほしい、誰にも、上司にも親族にも、配偶者にも、近所の人にも、エホバ神との関係を妨げられないでいてほしい」
他にも考えるべきことがあります。
私たちは聖書に注意を向けたいと思います。
イエスによれば、「種は神の言葉です」。
では、相手が学んでいる聖句についてどう感じているか、どうすれば分かりますか?
聖句の意味を頭では理解しているかもしれませんが、本当のところどう感じていますか?
こういうことを確かめる質問が用意されていればいいと思いませんか?
学んでいる人は何かの問題を抱えているかもしれません。
同じような問題を乗り越えた兄弟か姉妹がレッスンに参加してくれたらいいと思いませんか?
学んでいる人は状況を理解してもらえるので、きっと力づけられることでしょう。
学んでいる人の進歩状況をどのように確かめられますか?
伝道者になってバプテスマを受けることを目指して、着実に進歩しているかどうか、どうすれば確かめられるでしょうか?
別の点もあります。
ある人たちが進歩するのに時間がかかる理由の1つは、2冊の本と1冊の冊子を学ぶからです。
かなりの量です。
大人になってから本を使って勉強する、ということはあまりありません。
ですから、かなりの努力が要ります。
2冊の本を終える前にバプテスマを受ける人もいます。
その場合、クリスチャンとして生活する上で役立つ情報のいくらかを、まだ学んでいないことになります。
また兄弟姉妹の中には。組織に関心を向けるために「エホバのご意志」の冊子を使っていない人もいます。
「『エホバのご意志』の冊子って何だっけ」と思いますか?
それで、もしも1冊の本だけで聖書の大切な教えを全て学び、クリスチャンの生活に必要なことを学び、人々の関心を組織に向けることができたらいいと思いませんか?
そうできたら本当にいいですね。
でも、こう思うかもしれません。
「確かにそうですが、統治体は何かしてくれるんですか」
お答えします。
2018年4月、統治体の奉仕委員会は、バプテスマを受けるよう人々を助ける上でどんな教え方が効果的か、各地の支部に尋ねました。
正直なところ、30年前に使われていた出版物や教え方は当時は役に立ちましたが、今の人々のニーズには必ずしも合っていません。
各支部から役立つ情報が寄せられました。
それに基づき、2019年の初めにチームができました。
執筆者、デザイナー、コンサルタントが集まって、今使われているツールを改善できるかどうか検討しました。
そのチームは、聖書レッスンを行う新しい方法を提案しました。
でもまずお伝えしたい点があります。
これまで聖書レッスンに使われてきた出版物は、本当に役立ってきました。
時々のニーズに合っていました。
私たちの頃によく使っていたのは、「神を真とすべし」、『これは永遠の生命を意味する』、「真理は汝らを自由にすべし」 などです。
第2次世界大戦後の時代にぴったりでした。
皆さんの中には『永遠に生きる』の本が大好きだった人も大勢いるでしょう。
これは「永遠に学ぶ」の本ではなく、『永遠に生きる』の本ですが、この本を終えるのに非常に長い時間がかかった人がいます。
「聖書が教えていること」や「神に愛される」も素晴らしい本です。
こうした本全ては本当に良いものでした。
でも時代は変わります。
人々のニーズも変わります。
人々はビジュアルなものをますます好むようになっています。
読むよりも、見たり、話し合ったりすることによって学びます。
ということは、何でしょうか?
用意はいいですか?
統治体は、聖書レッスンを行うための新しい出版物を発表できることをうれしく思います。
間もなく印刷版と電子版で入手できます。
タイトルを知りたいですか?
なかなかいいですよ。
「いつまでも幸せに暮らせます 楽しく学べる聖書レッスン」
これは詩編 22:26に基づいています。
「エホバに導きを求める人は、その方を賛美する。あなたたちが永遠に生きられますように」
いい聖句です。
そう思いませんか?
先ほど述べたように、各地の支部にフィードバックを求めました。
良いコメントが寄せられました。
執筆者たちは、各支部から送られてきたそうしたコメントを注意深く分析しました。
コメントを基に、3つのサンプルレッスンが準備されました。
見た感じは良かったですが、実際に役立つのでしょうか?
それを知るため、97カ国にサンプルレッスンを送り、実際に使ってもらいました。
結果は、素晴らしいものでした。
それで、この本の60のレッスン全てについて、兄弟姉妹の感想を求めました。
「どんな人の感想を聞いたんだろう」と思いますか?
全ての巡回監督、宣教者、特別開拓者の意見を求めたのでしょうか?
そういう人も含まれていましたが、巡回監督や宣教者や特別開拓者ではない人も大勢いました。
さまざまな兄弟姉妹にこの本についての感想を求めました。
バプテスマを受けて間もない人や、長年奉仕してきた人も含まれています。
この本はそのようにして作られ、間もなく入手できます。
どこが新しくなったのでしょうか?
ジャクソン兄弟が詳しく説明してくださるので、ここでは幾つかの点だけ取り上げます。
まず大切な点です。
バプテスマ希望者は60の質問に答える必要がありますが、この本にはそうした質問に答えるのに必要な情報が十分に収められています。
必要な情報全て、つまり聖書の教え、クリスチャンの生活 、組織に関心を向けるといったことがこの1冊の本でカバーされています。
この1冊で十分です。
2冊目の本を学ぶ必要はありません。
どのように学ぶのでしょうか?
体裁は「集会ワークブック」に似ています。
自由に話し合えるようになっていて、聖書を学ぶ人と教える人が一緒に考えます。
各レッスンの最初には、幾つかの節があります。
学ぶ人は、その部分を前もって読んでおきます。
でもほとんどの部分は、聖書を教える人と学ぶ人が一緒に考えます。
話し合いながら学びます。
聖句に注意が向けられています。
こんな文があります。
「聖書のどこどこを読んで次のことを考えましょう」
そして質問が書かれています。
この本の電子版には、レッスンの間に見ることができる、200ほどのビデオのリンクがあります。
学んでいる人と同じような問題を経験した人にレッスンに参加してもらいたいのに、そういう人が身近にいない、という場合があります。
もう大丈夫です。
インタビューのビデオを選んで、学んでいる人に見てもらうだけでいいのです。
そのようなビデオはきっと大きな助けになるでしょう。
またこの本は随所で、学んだことを他の人に伝えるよう勧めています。
こんな質問があります。
「ここで学んだことを友達にどのように説明できますか」
各レッスンの終わりに、学んでいる人は目標を与えられます。
これは、学んでいる人が自分の進歩を知る助けになります。
またこの本は、エホバがどんな方かを強調しています。
私たちは学んでいる人に、自分はエホバから深く愛されている、自分の行動や決定によってエホバに喜んでもらうことができる、ということを知ってほしいと思います。
そのように助けることで、学んでいる人はエホバとの友情を育てることができます。
よく、習うより慣れろ といいます。
私たちはこれまで長年、質問と答えの形で聖書レッスンを行ってきました。
これまではそれで良かったのかもしれません。
でも、さまざまな支部のフィードバックから、新しい方法が必要であることが分かりました。
それで、エホバに祈り、この新しい方法を使い、慣れるようにしましょう。
きっとうまくいきます。
このツールを使う努力をエホバが祝福してくださいますように。
このツールを使い、人々と学ぶだけでなく、人々を弟子とすることができたらいいと思いませんか?