2021年次総会「『私は病気だ』と言う住民はいなくなる」 - ゲリト・レッシュ

テキスト

私たちはこうして、健康な体で年次総会の話を聞けることをうれしく思います。

これは当たり前のことではありません。

世界中で、これまでに約2万人の兄弟姉妹が、新型コロナウイルスに感染して命を落としました。

そのような人たちの親族や友人は、大切な人を亡くし、大きな悲しみを味わっています。

家族や友人の死は本当に深い悲しみをもたらします。

統計によると、米国では毎年100人に1人ほどが亡くなっています。

世界中では、毎年約6000万人が亡くなっています。

1日平均、約16万4000人です。

残念なことです。

また新型コロナウイルスのため、世界中の死者数はいつもより増えています。

米国では、60万人以上の人が新型コロナウイルスで亡くなりました。

もちろん、私たちは復活の希望を持っていますが、愛する人を亡くすと大きな喪失感と悲しみを味わいます。

これまで、何年も何十年もかけて育んできた親しい関係が、突然終わりを迎えてしまうのです。

特に、身近な家族を亡くした時の悲しみには、計り知れないものがあります。

全く予期していない時に家族を亡くすこともあります。

中には、若くして亡くなる人たちもいます、

復活があることを知ってはいますが、今まで一緒に過ごしてきた家族を亡くすのは、とてもつらく悲しいことです。

また会えるとはいえ、大切な人を亡くすと、非常に寂しく感じます。

聖書の記録によると、ラザロが亡くなった後、イエスは涙を流しました。

ラザロの姉妹たちが悲しんでいる様子を見たからです。

それで、誰かを亡くした時に悲しんだり泣いたりしたからといって、それは信仰がないとかメンタルが弱いということではありません。

泣いてはいけないと思う必要はありません。

「涙を流し」ていいのです。

ヨハネ 5:28, 29にあるイエスの言葉を読むと、慰められます。

こうあります。

「このことに驚いてはなりません。記念の墓の中にいる人が皆、彼[つまりイエス]の声を聞いて出てくる時が来るのです。良いことをした人は命の復活へ、悪いことを行った人は裁きの復活へと出てきます」

うれしいことに、エホバは病気や死がいつまでも続くものではなく、一時的なものであり、新しい世界ではなくなると言っています。

エホバは昔、奇跡を行って、病気を癒やし、死者を復活させました。

人を生き返らせる力があることを示したのです。

私たちは、新型コロナウイルスや他の理由で家族や友人を亡くしたことを悲しく思います。

でも、エホバが将来、復活させてくれることを喜ぶことができます。

エホバは何人かの人を復活させました。

ずっと昔にです。

聖書には 9人の人の復活が記録されています。

ここでは、その人たちの名前を挙げませんので、思い出せるかどうか試してみてください。

9人全員を思い出せないなら、兄弟姉妹に助けてもらって、一緒にリストアップしてみるのはどうですか?

イエスのほかに、8人の人がいます。

一緒に話し合うなら、励まされ慰められるでしょう。

ヘブライ 11:35にある「さらに勝った復活」は、聖書中の8人の復活よりも優れています。

その人たちは後になってまた死にました。

でも、将来復活する人たちは、再び死ぬことなく、永遠に生きる可能性があります。

確かに勝った復活です。

考えてみてください。

1000年でもなく、100万年でもなく、1000万年でもなく、1億年でもなく、1000億年でもなく、もっと長く生きるのです。

復活してくる人たちにとって、死の眠りに就いていた期間は一瞬のようにしか感じられないことでしょう。

瞬く間にしか思えません。

たとえ長年、死の眠りに就いていたとしてもです。

例えばラザロは、生き返った時、墓の中で横たわっていた間のことを覚えていませんでした。

復活した時、ラザロは死んで意識を失った次の瞬間に生き返ったように感じたでしょう。

目を覚ました時、自分はなぜ墓の中にいるんだろう、と思ったはずです。

エホバは人間を造った方です。

ですから、もう一度造ることもできます。

詩編 104:29, 30にはこうあります。

「あなたが顔を隠すと、かき乱される。あなたが生命力を取り去ると、死んで土に戻る。あなたが聖なる力を送り出すと、創造される」

エホバは、復活してくる人たちに新しい体を与えます。

健康な体です。

元の体と同じように見えるので、家族はすぐにその人を見分けることができるでしょう。

終わりの時代の最後の方で亡くなった忠実なクリスチャンは、ほかの人たちより早く復活すると考えられます。

また、昔の忠実な人たちの中にも、早く復活し、新しい世界で「高官」として奉仕する人たちがいるでしょう。

でも私たちは、復活について詳しいことをまだ知りません。

聖書は、復活について全てを明らかにしているわけではないからです。

個々の人が、いつ、どこで、どのように復活するかといったことについて、聖書には書かれていません。

復活してくる人の衣食住がどのように準備されるかについても、書かれていません。

まだ明らかになっていない事柄についていくら時間をかけて調べても、答えは出ません。

むしろ、復活が起きるということ自体に心を向ける方がよいでしょう。

コリント第一 15:52にも復活のことが書かれています。

でも、地上での復活ではなく、天への復活のことです。

この聖句によると、天に行くよう選ばれた人たちは死ぬと「瞬く間に」復活します。

これらの人たちの復活は、終わりの時代に始まりました。

死ぬと、すぐに天に行きます。

「瞬く間に」復活するのです。

地上で永遠に生きる希望を持ち亡くなった人たちも、パラダイスに復活する時、瞬く間に復活したように感じることでしょう。

その人たちは、死んだ時から復活する時まで全く無意識です。

ですから、「瞬く間に」過ぎたように感じます。

天に復活する人たちは不滅性を身に付けます。

地上に復活する人たちは、不滅性を身に付けることはありませんが、忠実である限り、いつまでも生きることができます。

昔のイスラエルの時代、エホバは、ご自分の民を病気から守れることを示しました。

エホバは、ご自分に従うイスラエル人を保護しました。

申命記 7:15はエジプトから逃げた人たちについてこう予告していました。

「エホバはあなたから全ての病気を取り去ってくださいます。あなたが知っているエジプトのどんなひどい病気も、あなたにはもたら」しません。

エホバはこの約束を果たしたに違いありません。

ご自分に従うイスラエル人を奇跡的に保護しました。

彼らを祝福し、健康で長生きできるようにしました。

忠実なイスラエル人に愛を示したのです。

この例から、エホバに力があることが分かります。

エホバは望むなら、人々を病気から守ることができるのです。

エホバはハルマゲドン後、キリストの千年統治の間に、この力を行使します。

啓示 22:2には、エホバが「人々を癒やす」ことが予告されています。

人々は新しい世界で体も心も癒やされます。

エホバは私たちの敵である死を完全になくします。

イザヤ 33:24にある通り、新しい世界では「『私は病気だ』と言う住民はいなくな」ります。

病院はなくなります。

薬局もなくなります。

医師もいません。

看護師もいません。

啓示 21:4によると、新しい世界では 「悲しみも嘆きも苦痛もなくなります」。

最近、世界中で多くの兄弟姉妹が、新型コロナウイルスによって亡くなったのは、とても悲しいことです。

でも、そのような仲間は復活します。

健康な体で復活します。

年老いた姿で復活するわけではありません。

80代で亡くなった人も、復活してくる時には30代に見えるかもしれません。

先ほどお話しした通り、復活する人は以前と同じような姿をしているので、家族はその人を見分けることができるでしょう。

私たちの心はエホバへの感謝でいっぱいになるのではありませんか?

愛する人を生き返らせてくれるのです。

使徒パウロは、次のような希望を抱いていました。

コリント第二 1:7でこう言っています。

「私たちが皆さんについて抱いている希望は揺るぎません。皆さんが私たちと苦しみを分け合っているのと同じように、慰めをも分け合うことを私たちは知っているからです」

そして、手紙の結びでこう勧めています。

「これからも……慰められ……てください。そうすれば、愛と平和の神が共にいてくださいます」

とても大切なことを学べるのではありませんか?

私たちは神からの慰めについて語り合うことができます。

神が聖書や聖なる力や組織を通して与えてくれる慰めについてです。

もちろん、慰めの源はエホバ神です。

エホバ以外のところに慰めを求めても幸せにはなれません。

パウロもこう言っています。

「イエス・キリストの父である神が賛美されますように。神は、温かな憐れみの父、あらゆる慰めの神であり、私たちがどんな試練に遭うとしても慰めてくださいます」

何と励みになる言葉でしょう。

「慰め」に当たるギリシャ語には、「自分のそばに呼び寄せること」という意味があります。

厳しい試練に遭っている人のそばに寄り添って、元気づけるという考えを伝えています。

ある学者はこう書いています。

「この語……は常に、単に人を和ませる同情よりはるかに多くのことを意味している……クリスチャンの慰めは、勇気づける慰め、生きる上でぶつかるどんな物事にも人を立ち向かわせる慰めである」

これには信頼できる約束や希望に基づく言葉も含まれます。

死んだ人が復活するという希望です。

では、人を慰めるために何ができるでしょうか?

聞きましょう。

話をよく聞くことは、家族を亡くした人の痛みを和らげるとても良い方法です。

亡くなった家族について話したいか、尋ねることもできます。

父親を亡くした兄弟はこう言っています。

「助けになったのは、兄弟姉妹が質問してよく聞いてくれたことです」

相手の気持ちを考えながらじっくり聞きましょう。

ローマ 12:15にある通り、「泣く人と一緒に泣きましょう」

いつも助けになるようにしましょう。

最初の数日間は、多くの友達や親族が来てくれるかもしれませんが、しばらくすると、みんな元の生活に戻っていきます。

ですから、その後もずっと支えましょう。

いつも気遣い、思いやりを示すなら、家族を亡くした人はとても慰められるはずです。

聖書には、「兄弟以上の絆で結ばれる友もいる」とあります。

亡くなった人の良いところについて話すことができます。

遺族は慰められるでしょう。

亡くなった人の名前を出すことをためらわないでください。

その人についての楽しいエピソードがあれば話すことができます。

手紙やカードを書くこともできます。

遺族を慰める手紙やカードには、とても大きな力があります。

なぜですか?

何度も読み返すことができるからです。

長い手紙である必要はありませんが、心からの気遣いを示しましょう。

祈りも大切です。

家族を亡くした人と一緒に、その人のために祈りましょう。

大きな慰めになるはずです。

ヤコブ 5:16にはこうあります。

「正しい人の祈願には大きな力があります」

エホバについてじっくり考えるよう勧めることもできます。

エホバはあらゆる慰めの神です。

イザヤにこう言いました。

「わたしがーわたしがあなた方を慰めている者なのである」

こうも言っています。

「自分の母に絶えず慰められる人のように、わたしもあなた方を絶えず慰めるであろう」

ご一緒に詩編 119編を見てみましょう。

まず、50節と52節を読みます。

「こうして、苦しんでいる私は慰められる。あなたの言葉のおかげで生き続けている」

52節

「エホバ、あなたがこれまでに下してきた裁きを私は思い出す。そして慰められる」

さらに 76節にはこうあります。

「揺るぎない愛を示し、どうか私を慰めてください。私にした約束の通りに」

今読んだ聖句には「慰め」という言葉が何度も使われています。

苦しい時に本当の慰めを得るには、エホバの言葉に心を向ける必要があります。

そうすれば、仲間を慰めることもできます。

私たちには神の言葉、聖書に加え、愛し気遣ってくれる兄弟姉妹もいます。

悲しみを乗り越え、再び喜びにあふれて宣教を行えるようになるでしょう。

愛情深い全能の神エホバを崇拝できるのは光栄なことです。

エホバは私たちの大切な人を復活させてくださいます。

忠実な人たちがパンデミックによって命を落とすことはもうありません。

新しい世界では、「『私は病気だ』と言う住民はいなくなる」のです。

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