2021年次総会「『ずっと見張って』いるべきなのはなぜか」 - アンソニー・モリス

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ずっと見張っていなければならないのはなぜですか?

もちろん、この質問には直接の答えもありますが、この話ではもう1つの理由に注目したいと思います。

マルコを開きましょう。

ご一緒に13章を読みます。

ここにはずっと見張っていなければならない主な理由が書かれています。

32節から読んでみましょう。

こうあります。

「その日や時刻については誰も知りません。天使たちも子も知らず、父だけが知っています。ずっと見ていて、目を覚ましていなさい。あなたたちは、定められた時がいつかを知らないからです。それは、家を離れて外国へ旅行に行く人が、奴隷たちに権威を与え、それぞれに仕事を委ね、戸口番にはずっと見張っているようにと命令するのに似ています。それで、家の主人がいつ帰って来るか、夜の初めか、夜遅くか、夜明け前か、あるいは早朝かを知らないのですから、ずっと見張っていなさい。主人が突然に来て、あなたたちが眠っているところを見つけるということのないためです」

私たちの主人、イエスの言葉です。

とても率直です。

思いやり深い方ですが、率直です。

主な理由を述べた後、37節でこう言っています。

「私があなたたちに言っていることは、全ての人に言っているのです。[ですから 私たちにも言っています]ずっと見張っていなさい」

とてもシンプルで、率直です。

ずっと見張っていなければならないのです。

この話の準備をしている段階で、先ほどのクック兄弟の話はまだ聞いていませんでした。

もちろん、話の内容は知っていました。

私たちに対する率直な警告が強調されましたが、エホバは慰めの神でもあります。

確かに、私たちはイエスが与えた率直な警告に注意を払わなければなりません。

でもエホバは私たちを慰めたいとも思っています。

慰めの神だからです。

これがもう1つの理由です。

ご一緒にイザヤ 48章を見てみましょう。

ずっと見張っているべき大切な理由が分かります。

17節です。よくご存じの聖句です。

「あなたを救う方、イスラエルの聖なる方、エホバはこう言う。『私エホバは、あなたの神である。あなたのためになる生き方を教え、あなたを導いて正しい道を歩ませる』」

改訂版では分かりやすい表現が使われています。

エホバが言いたいことがよく伝わってきます。

「あなたのためになる」とあります。

心に響きます。

なぜずっと見張っているべきですか?

自分のためです。

本当にそうです。

イエスもエホバもこの点を教えたいと思っています。

皆さんにぜひこのことを覚えていてほしいと思います。

皆さんの中にはエホバに非常に長い間仕えてきた人たちがいます。

誰とは言いませんが、そういう方が何人もいます。

エホバはそのような皆さんを、これまでずっと支えてきました。

でも皆さんも不完全な人間です。

時には間違ったことを言ってしまうことがあります。

ここで皆さんにお話ししたいエピソードがあります。

私たち家族のことです。

だいぶ前の話になりますが、息子のジェシーとポールがまだ小学校の低学年だった頃のことです。

最近はあまり耳にしませんが、当時はよく兄弟姉妹の間でこういうことが話題になっていました。

息子たちが2年生と1年生の頃です。

でも物をよく考える子たちでした。

当時住んでいたロードアイランドには高齢の兄弟姉妹が大勢いたんですが、子供たちはそういう兄弟姉妹の話によく耳を傾けました。

でも時々息子たちはこんなことを言われることがありました。

「終わりが来ちゃうんだから、小学校なんて卒業できるわけないわよ。絶対にない」

私たちはその家で食事を頂いたばかりだったので、困ってしまいました。

天を見上げて助けを求めるしかありませんでした。

そういうことが度々ありました。

特定の年に終わりが来ると思っていたのかもしれません。

よく分かりません。

でもよくそう言われました。

実は私も間違ったことを言ってしまいました。

今でもはっきり覚えていますが、先ほどの食事から帰る時、ジェシーとポールが心配そうに尋ねてきました。

「さっきの話、どういうこと?」

2人はエホバを愛していたので、将来何をしようか真剣に考えていました。

いろいろな目標がありました。

エホバのために何かしたいと思っていたのです。

息子たちは「あれってほんとなの?」と言いました。

こういうことを息子たちに言ったのは年長の兄弟姉妹です。

経験豊かな人たちです。

心当たりの方がいても、心配しないでください。

エホバは許してくださるはずです。

でもこれからは気を付けてください。

でも私も間違ったことを言ってしまいました。

その食事会の後、結構長い距離を運転していたんですが、その時に息子たちが、後部座席からさっきの質問をしてきました。

私はこう答えました。

「忘れるんじゃないよ。ずっと見張っているんだよ。この体制は、2020年まで続くかもしれない」

そう言いました。

40年ぐらい前の話です。

40年です。長めに言ったつもりでした。

でも、もう2021年です。

ここまで続くとは思っていませんでした。

ちょっと予想が外れましたが、うれしいことに、子供たち夫婦も妻も、これまでずっと見張ってきました。

私たちはこれからもずっと見張っているつもりです。

実は今回、何人かの兄弟たちが、自分の気持ちを書いてくれました。

これまで何十年もの間エホバを崇拝してきた、素晴らしい兄弟たちです。

もちろん不完全です。

でも今の正直な気持ちを書いてくれました。

ある兄弟はこう書いています。

本音を言ってくれたことに感謝しています。こうあります。

「2019年の年次総会で、ラマポのプロジェクトの発表がありましたが、私の記憶が正しければ、完成までに何年かかかるということでした。最近の『ものみの塔』の記事で、今が『終わりの時代』の終わりだとありました。[印象的な表現ですね。力強い言葉です]発表を聞いてちょっとがっかりしました。ハルマゲドンが遠のいた気がしたからです」

正直に書いてくれています。

本当にそう感じたんだと思います。

同じように感じた人はほかにもいると思います。

本音です。

では、この兄弟に何と言ってあげられますか?

忘れないでください。

エホバは慰めの神です。

もしかしたら、イエスの警告を取り上げて率直に話したくなるかもしれません。

兄弟を慰めることができるでしょうか?

もちろん、私たちはいつでも真実を話します。

でも、統治体は皆さんに知っていてほしいことがあります。

後で視聴する皆さんにもです。

私たち統治体はこれからも働き続け、信仰を強める食物を忠実に、適切な時に与えることを決意しています。

そして私たちは、終わりの時代の先も見据えています。

今日何度も話されました。

もう少し詳しく説明します。

先を見据える、ということについては、「ふれ告げる人々」の本にも書かれています。

私はこの本を読んでとても感動しました。

この本を作るために大変な努力が払われたと思います。

その中で、神の民についてこんなことが書かれています。

ご存じのように、この本が出た頃、世界各地で建設が行われていました。

こう書かれています。

「エホバの霊の助けにより、[神の民は]ハルマゲドン前の残っている期間に、できるだけ大規模な証言を行なうことを願っているのです。彼らは、神の新しい世が非常に間近いことを確信しています。また、組織された民として、メシアによる神の王国が支配する新しい世に生き残るということを信じています」

興味深いのは次の点です。

「また、彼らが建ててエホバに献堂した立派な施設の多くが、恐らくハルマゲドンの後も、唯一まことの神に関する知識が本当に地に満ちるまで、それを広める中心として使われることを希望しています」

素晴らしいことです。

私たちは今もそう希望しています。

それで、当時の忠実な奴隷が言ったことに調和して、今の忠実な奴隷もこう言います。

今行われているプロジェクトの多く、ラマポの施設や「イエスが伝えた良い知らせ」のビデオシリーズは、恐らく新しい世界でも活用されることでしょう。

大群衆はそうしたものを使って活動を進め、恐らく復活した人を教えることもできるでしょう。

これは本当に慰めになる考えではないでしょうか?

最後に、私の2人の友人が、自分の気持ちをつづったものを読みたいと思います。

2人とも、これまで忠実な奴隷をよく支えてきました。

何十年もです。

名前は出しませんが、素晴らしい兄弟たちです。

この兄弟たちに、今の気持ちを書いてもらいました。

これまで長年、忠実な奴隷を支えてきたからです。

ずっと見張っていることがどのように自分のためになったかを書いてくれました。

1人目の兄弟はこう書いています。

「私の家族は、何世代にもわたって終わりが来る時を待ち続けてきました。母は昨年亡くなりました。終わりが近いことをいつも意識していました。生きて終わりを見たいと願っていましたが、かないませんでした。母は義理の母から真理を学びました。私の祖母です。祖母は天に行くよう選ばれたクリスチャンで、生きている間に終わりが見たいとよく言っていましたが、かないませんでした。祖母に真理を教えた曽祖母も、自分が生きている間に終わりが来ると信じていました。でもそれはかなわず、私が10代の頃、亡くなりました。曽祖母に真理を伝えたのは曽祖母の義理の母です。私が生まれるずっと前に亡くなりました。やはり終わりが見たいと願っていましたが、かないませんでした。今、私は70代になりましたが、間もなく終わりを見ることができると信じています。どういうことでしょうか?うちの家系は妄想癖があるのでしょうか?そうは思いません。2つ理由があります。1つ目に、終わりが近い証拠は増え続けています。母も目にしなかったような証拠を私は見ています。最近のパンデミックなどです。私は時折、紀元前608年ごろにユダヤに住んでいた人の気持ちを考えます。その人に至る家系の忠実な人たちも、預言者の言葉を聞いて終わりが近いと考えていたかもしれません。もしかしたら、その人の曽祖父母は100年以上前に預言者イザヤの言葉を聞いて、エルサレムの終わりが近いと考えたかもしれません。でも、エルサレムの滅びを見ることはできませんでした。ではこの家族の人たちは間違っていたのでしょうか?そうではありません。エルサレムは紀元前607年に滅びました」

兄弟は紀元前608年の人の気持ちを考えたわけです。

その後間もなく、エルサレムは滅びました。

「その人は次のことも知っていました。自分の家族が充実した人生を送ったということです。エホバを愛し、イザヤが言った通り、エホバの教えによって自分のためになる生き方ができました。これが2つ目の理由です。私も私の家族も間違ったことを信じてきたわけではありません。それぞれエホバに仕え、充実した生き方をしてきました。終わりが来るのをただじっと待っていたわけではありません。いつもエホバに一生懸命に仕えました。目標を持ち、聖書をよく学び、伝道し、人々を助けました。喜びにあふれた生き方をしました。私もそうしたいです。そして母に早くこう言いたいと思います。[感動的です]『お母さんは、あとちょっとで終わりが見られるはずだったんだよ』。母は詳しく知りたいと思うはずです」

とても感動的です。

では、もう1人の兄弟が書いてくれたことも紹介したいと思います。

「兄と私は母から真理を学びました。母はよく確信を込めて、『終わりはもうすぐ来るのよ』と言っていました。その確信は生き方にも表れていました。母は人々が時間のあるうちに真理を知り、エホバに仕えることができるよう宣教に打ち込みました。終わりを待ち続け、亡くなるまでの間、来る年も来る年も忠実に奉仕を続けました。私も50年以上ずっと見張り続け、母が亡くなった年齢になろうとしています。終わりはまだ来ていませんが、決していら立ったりはしていません。全くです。むしろその逆です。エホバの基準に従ったおかげで、幸せな人生を送ってきました。最高の生き方をしていると思います。前向きな見方を持つ上で役立っていることがあります。時々、次のようなことを思い巡らします。私の献身は無条件で、永遠のものです。エホバへの献身は私が生きている間に終わりが来るならとか、エホバが報いを与えてくれるならといった条件に基づくものではありません。エホバに永遠に仕えるために献身しました、そして、大切な点を忘れないようにしています。新しい世界に生き残ることばかり考えているなら、重視しているのは自分のことです。そういう見方は間違っています。もっと大切なことに目を向けるようにしています。終わりが来るならエホバの名が神聖にされるということです。それはエホバにとって非常に大切なことなので、終わりは必ずエホバが定めた一番良い時に来ます」

さらにこうあります。

「私は終わりまで耐え忍ぶつもりです。それはこの体制の終わりか、私の命の終わりか、先に来た方です。どちらにしても年々終わりに近づいています。母のように終わりを見られないかもしれません。でも構いません。たとえ死の眠りに就いたとしても、次の瞬間には新しい世界で目を覚ますことになるからです。ですから、生きて終わりを見るかどうかは大して重要な問題ではありません」。

2人の忠実な兄弟が気持ちをつづってくれました。

素晴らしい内容でした。

最後に1つ質問します。

この年次総会は大患難前の最後のものになるのでしょうか?

誰も手を挙げませんね。

分かりません。

でも分かっていることがあります。

エホバとイエスは私たちに次のことを望んでいます。

ずっと見張っていることです。

そうすることは、私たちのためになるでしょう。

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