では、米国支部委員会の一員である、トロイ・スナイダー兄弟の話を聞きましょう。
主題は、「彼はならせる」
ギレアデ卒業生の皆さんは、割り当てられた場所に向かい、エホバの大切な羊である兄弟姉妹が強くて揺らぐことのない人になれるよう助けます。
大患難の直前の今、その務めが与えられています。
では、まず皆さんご自身が強くて揺らぐことのない人になる上で、役立つ聖句を考えましょう。
その聖句には、エホバがイスラエル人をエジプトから救出する直前に明らかにした真理が記されています。
出エジプト 3章を開きましょう。
どんな真理でしょうか。
モーセはエホバに「あなたが救出してくださることをイスラエル人に信じてもらうため、何と言えばいいでしょうか」と尋ねました。
エホバはイスラエル人に力を与えるために何と述べたでしょうか。
14節です。
「神はモーセに言った、『私は自分がなろうとするものとなる』。さらに言った、『イスラエル人にこう言うように。「私はなるという方が私をあなたたちの所に遣わした」』」
イスラエル人は、この言葉に力づけられました。
エホバが、「自分の望むことを行うために、何であれ必要なものとなる」と言っていることが分かりました。
「新世界訳」の付録Aによると、エホバという名には「彼はならせる」とか、「創造したもの(つまり、私たち)を何らかのものにならせ」る、という意味もあるようです。
エホバは自分の望むことを行うためにそうされます。
エホバは確かにそのような方です。
エホバは創造者です。
私たちを創造しました。
宇宙を創造しました。
ならせる神です。
この素晴らしい真理を学ぶと、強くて揺らぐことのない人になれます。
エホバが進んで与えてくださるものについて知ることができるからです。
それは何でしょうか。
エレミヤ 10章を開きましょう。
エホバの名と、エホバの性格や、エホバが進んで与えてくださるものとの関係が分かります。
6節です。
エレミヤ 10:6
「エホバ、あなたのような方はいません。あなたは偉大な方、あなたの名は力強く、偉大です」
エホバの名が力と関連付けられていることが分かります。
エホバはご自分の力を進んで私たちに与え、強い者にしてくださいます。
紅海を分けたのはエホバの力です。
ヨシュアの戦いの時に太陽を止めたのもエホバの力です。
鳥にエリヤを養わせたのも、エホバの力です。
疲れ切っていたエリヤを兵車よりも速く走らせたのもエホバの力です。
エホバは私たちにも「力を与える」と言っています。
心強く感じます。
私たちも疲れ果てることがあるからです。
もう無理、と思うことがあるかもしれません。
でもエホバはこう言っています。
「私はあなたを深く愛している。あなたが私の望むことを行えるよう必要な力を与える」
サタンをはじめ、エホバの敵たちがエホバの名を隠そうとしてきた理由が分かるでしょう。
名そのものだけではなく、名の持つ力が私たちをどのように強めるかを知られたくなかったのです。
エホバの名は力だけではなく、慰めも与えます。
安心感も与えます。
恐れを和らげます。
実際の例に注目しましょう。
エレミヤ 1章をご覧ください。
エレミヤは、エホバを代表して語るという、非常に難しい務めを与えられました。
エレミヤは何と言いましたか。
自分は「少年にすぎない」と言いました。
「エホバ、私は経験不足です。あなたは私を訓練してくださいましたが、この割り当ては果たせそうにありません。怖いです」
エホバはエレミヤをどのように励ましましたか。
エレミヤをどんな人にならせましたか。
エレミヤ 1:18にはこうあります。
「今日、私はあなたを、防備された町、鉄の柱、銅の城壁とし、国全体に立ち向かわせる。すなわち、ユダの王たち、高官たち、祭司たち、民に対して」
「防備された町」です。
エホバは、「あなたを強い人にする。鉄の柱のようにする。強い心を与えて割り当てを果たせるようにする」と述べたのです。
「銅の城壁」
銅の城壁とはどんなものでしょうか。
エホバは銅をどんなものとして造りましたか。
銅にはどんな特徴があるでしょうか。
銅は非常に高い温度でも、曲がったり、ゆがんだり、強度を失ったりしません。
ですから、エホバはエレミヤに、「あなたは銅のように強くなって熱に耐えられる」と言っていたのかもしれません。
エホバはあなたも難しい問題を乗り越えられるよう助けてくださいます。
銅の城壁という表現について考えましょう。
城壁は都市の周りに築かれます。
エホバは、エレミヤが割り当てを果たせるよう、精神的、感情的、身体的な力や信仰を与えると述べていました。
エレミヤは強くなりました。
難しい問題にぶつかった時、この言葉を思い出し、力を奮い起こしたことでしょう。
例えば、迫害され、足かせ台につながれた時です。
これは拷問でした。
エレミヤはこう祈ったかもしれません。
「エホバ、あなたへの忠実を保てるよう、私を必要なものにならせてください」
エホバはエレミヤが痛みを感じないようにしましたか。
分かりません。でも、エレミヤは確かに忠実を保ちました。
くじけたり、諦めたりせず、エホバへの揺るぎない愛を保ちました。
別の時には、神殿の前に行き、祭司たちや指導者たちに神殿が滅ぼされることを告げなければなりませんでした。
エレミヤはそのことを示すために、土器を地面に叩きつけて粉々にしました。
エレミヤはこう祈ったかもしれません。
「エホバ、この警告を与えるのに必要なものにならせてください。堂々と話す勇気を与えてください。強い心を与えてください」
エホバはエレミヤに力を与えました。
いつもエレミヤと共におられたのです。
エホバの名について考えると、自分もエホバの望まれることを行える、という確信が強まります。
皆さんは実際にエホバの望まれることを行ってきました。
皆さんの自己紹介をお聞きして、エホバが皆さんをどんなものにならせたかを知ることができました。
ある姉妹はまだ子供の頃、エホバに仕えることにしたため、妹と一緒に家から追い出されてしまいました。
どうなりましたか。
エホバはあなたや会衆の兄弟姉妹を必要なものにならせ、信仰を保てるよう助けてくださいました。
別の方は、建設奉仕をしていた時、暑い中、たくさんの道具を身に着けてレンガを切り出す仕事をしたことを話してくださいました。
喜びを保てたのはなぜですか。
エホバがそのようなものにならせてくださったからです。
ある方は、自分の奉仕なんてエホバにとって価値がない、と考えていました。
喜びを失っていました。
どうなりましたか。
エホバは仲間を通して励まし、力づけてくださいました。
別の方は、とてもできないと思っていた割り当てを果たせるよう、エホバが助けてくれたことを話してくださいました。
エホバは皆さん一人一人が割り当てを果たせるよう、必要なものにならせてくださいました。
ですから、がっかりした時や、恐れを感じる時や、自分にはできないと思う時には、エホバに祈ってください。
「あなたの望まれることを行うため、必要なものにならせてください。あなたの名を賛美できるよう、必要なものにならせてください」
とお願いするのです。
では、エホバがこの真理をイスラエル人に明らかにしたのはいつですか。
さまざまな問題にぶつかる直前です。
私たちに明らかにしてくださったのはいつですか。
改訂版の「新世界訳」を受け取った時です。
その時、エホバの名の力をよく知ることができました。
新しい世に入る直前のタイミングです。
私たちはこれからどんな試練を経験するのでしょうか。
どんな問題にぶつかるのでしょうか。
大患難の時にはどんなことが生じるのでしょうか。
心配するには及びません。
私たちが崇拝しているのは、必要なものにならせる神、エホバだからです。