アンデレの次はヨハネです。
使徒ヨハネです。
最後まで生き延びた使徒で、危機的な時に生活していました。
世の影響と背教的な考えという波を押しとどめていました。
当時すでに、背教的な考えが会衆に入り込んでいたのです。
ヨハネは神の導きを受けて、兄弟たちに力強い手紙を書きました。
ヨハネの燃えるような熱意を感じる手紙です。
そのようなヨハネを、イエスは「雷の子」と呼びました。
では、その手紙に注目し、どうすればヨハネに倣い、エホバのためにいわば雷を鳴り響かせられるかを考えましょう。
では、ヨハネ第一 1章を開いてみましょう。
1節と3節を読みます。
ヨハネは冒頭で、手紙を書いた目的をはっきり述べています。
ヨハネ第一 1:1です。
「初めから存在したもの[つまり、人間になる前のキリスト・イエスです。イエスは全創造物の中の初子でした。私たちが聞いたもの、自分たちの目で見たもの、注目して自分たちの手で触れたものについて伝えます」
ヨハネは兄弟たちの注意を引き付ける表現を使っています。
「私たちは実際に聞いた。この目で見た。この手でイエスに触れた。私はイエスの胸元で横になった」
ヨハネにはイエスの心臓の鼓動が聞こえたかもしれません。
ヨハネは、自分がじかに見聞きした事柄をみんなにも伝えたいと思いました。
3節で、「自分たちが見て聞いた事」ともう一度言っています。
「私はこの目と耳でイエスから学んだ。神の力が確かにイエスに働いていた」と言いたかったのです。
同じ3節でそれを「伝える」と言っています。
伝えたいこと、雷のように響かせたいことがあったのです。
イエスについての生き証人だったからです。
ヨハネの手紙を受け取った兄弟たちには、イエスと一緒に歩き、イエスに触れ、イエスの教えをじかに聞く機会がありませんでした。
でもヨハネにはありました。
ですから、実際に自分が経験し、感動したことを兄弟たちに伝えたいと思ったのです。
何のためですか?
愛する兄弟たちを守るためです。
当時、偽りを教える人たちが、兄弟たちを真理から引き離そうとしていたからです。
ヨハネは、背教者をはじめ、偽りを教える人たちが広めていたうそを暴きました。
彼らは神とイエスについてひどいうそを広めていました。
キリストの教えをゆがめる教理を巧妙に作り上げていたのです。
ヨハネはそのことに気付いていました。
彼らは、特別な啓示や知識を与えられていると主張しました。
自分たちは使徒たちを正す者だと豪語しました。
うそつきです!
ヨハネはうそを容認できませんでした。
英語のスタディー版聖書では「うそつき」に当たる語が15回出てきます。
そのうちの8回はヨハネが使っています。
ヨハネは真理のために雷を鳴り響かせました。
真理を擁護し、知らせたのです。
真理を愛し、キリスト・イエスを愛し、父エホバを愛していたからです。
今日でも、真理をゆがめるうそや偽情報がはびこっています。
真理の敵はあらゆる手段を使って、キリストの兄弟たちの評判を落とそうとしています。
皆さんはどう思いますか?
皆さんは、ここ世界本部で生活し、統治体の兄弟たちや責任を持つ本部の兄弟たちとじかに接してきました。
ですから、組織についてのネガティブな情報を聞いても、それがうそだとはっきり分かるでしょう。
では、エホバのために雷を鳴り響かせてください。
キリストが任命した兄弟たちを擁護してください。
ここでの経験を生かし、ヨハネのように言ってください。
「私は実際に聞いた。この目で見た。この手で触れた。じかに経験した。間近で見た」
JW Broadcasting®より間近で見ることができました。
一緒に時を過ごしました。
ですからこう言えます。
「神の聖なる力が組織を導いている様子を間近で見ました。これからは、見て聞いたことを、割り当てられた場所で兄弟姉妹に伝えます」
これが皆さんにできることです。
自分が見聞きしたことを伝えるのです。
そうすれば、兄弟たちは強くて揺らぐことのない人になり、組織への信頼を深めるでしょう。
これが皆さんの役割です。
皆さんがここに来たのは、ただ楽しい時を過ごすためではありません。
楽しい時を過ごしたでしょう。
でも、皆さんがしなければならないのは、兄弟たちに仕えることです。
兄弟か、姉妹か、独身か既婚かは関係ありません。
ギレアデ卒業生は、学んだことを仲間の兄弟姉妹に伝えなければなりません。
雷を鳴り響かせるようにそうするのです。
ヨハネについて考えましょう。
ヨハネが鳴り響かせた雷の音は決して小さくなりませんでした。
100歳近くになったヨハネは、流刑地のパトモス島から釈放された後何をしたでしょうか?
ヨハネは、「もう年なのでできることは何もない」と言いましたか?
いいえ。
ヨハネは、背教が生じること、圧制的なオオカミがすでに兄弟たちを惑わしていることを知っていました。
こう言いました。
「自分が生きている間にそんなことは許さない」
兄弟たちを助けるため、息を引き取るまで、エホバのために力を振り絞って雷を鳴り響かせ続けたのです。
どのようにですか?
聖書の4つの書を書きました。
今読んだヨハネ第一 1章もそうです。
ヨハネはリタイアしていません。
燃えるような熱意を抱き、兄弟たちを助けたいと思っていました。
真理を愛していたからです。
雷を鳴り響かせる上で何が助けになりましたか?
結末を知っていたことです。
釈放される前の西暦96年、ヨハネは予期しない啓示の光を与えられました。
14万4000人についての幻です。
彼らは征服を遂げ、天でイエスと共に統治します。
また、「全ての国⋯⋯から来た⋯⋯大群衆」についても告げられます。
彼らは忠誠を尽くし、真理に導かれて神を崇拝します。
ヨハネの確信は大いに強まりました。
ヨハネは、背教が生じても真の崇拝が途絶えることはないと言いました。
考えてみてください。
ヨハネが大群衆についての幻によって力を得、真理を擁護するために闘い続けることができたのであれば、皆さんはどうでしょうか?
皆さんはその幻が実現するのを見ています。
もちろん、ヨハネも天からその実現を見ています。
でも皆さんは、地上の最前列で史上最大の伝道活動を目にしています。
エホバが「全ての国⋯⋯から来た⋯⋯大群衆」を集めるという現代の奇跡を行っている様子を見ているのです。
今、そして将来、何が生じるとしても雷を鳴り響かせ続けましょう。
なぜですか?
結末を知っているからです。
結末に向かう様子をすでに見ているのです。
ヨハネはエホバのために雷を鳴り響かせ続けましたが、長年奉仕して穏やかさも身に付けました。
燃えるような熱意が、十分なバランスを保って示されるようになったのです。
かつて天から火が下ることを求めようとしたヨハネは、はるかに強く、もっと優れた力を使うようになりました。
どんな力ですか?
愛です。
ヨハネ第一 2:14を読んでみましょう。
ヨハネの愛を感じ取ることができます。
14節です。
「父親の皆さん、私が書くのは、皆さんが初めから存在している方をよく知るようになったからです。若い皆さん、私が書くのは皆さんが強く、神の言葉を心に刻んでおり、邪悪な者を征服したからです」
愛を感じますか?
ヨハネは 「皆さんが⋯⋯神の言葉を心に刻んで」いると述べています。
仲間を褒めるために、愛という強力な力を使いました。
彼らが真理への感謝を失わなかったからです。
皆さんも愛の力を使っていますか?
愛のない雷は騒音にすぎません。
忍耐している兄弟たちを、愛情深く褒めるようにしましょう。
忠誠を尽くしていることに感謝してください。
利他的な愛を示していることを褒めてください。
兄弟たちの心を動かしてください。
兄弟たちは批判ではなく、励ましを必要としています。
皆さん一人一人の顔を見ていると、いろいろな思い出がよみがえってきます。
本当です。
たくさんのシーンが次から次へと思い出されます。
脳裏に焼き付いています。
皆さんを見ていると今でもコメントが聞こえるかのようです。
ほかにも聞こえる音があります。
皆さんが毎日教室に入ってくる時の雷のような音です。
本当です。
こんなににぎやかなクラスは初めてです。
毎朝ハグし、朝の崇拝のコメントに拍手をし、互いに褒め言葉を述べていました。
前日に会ったばかりなのに、3カ月ぶりに再会したかのような雰囲気でした。
神から真理を教えられたこと、学校に来ることができたこと、仲間が忠誠を尽くしていることへの感謝を、雷のように鳴り響かせていました。
皆さんに忘れないでいただきたいことがあります。
どうすれば、雷を鳴り響かせ続けられるかということです。
3つの方法があります。
1つ目に、真理を擁護することです。
皆さんは組織を愛し、大切に思っているはずです。
この組織が学校に招待してくれました。
組織についての偽情報やうそを聞いても、自分がじかに見聞きしたことについて伝えるのをやめないでください。
2つ目に、結末を忘れないことです。
真の崇拝が行き渡ります。
皆さんはすでにその様子を見ています。
3つ目に、愛の力を使うことです。
兄弟たちを褒め、力づけるために愛の力を使ってください。
励ましてください。
ヨハネのように、力の限りを尽くして、エホバのために雷を鳴り響かせてください。