148期ギレアデ卒業式 結びの話 - スティーブン・レット

テキスト

ではここで、皆さんに5分の話をしたいと思います。

覚えておられると思いますが、卒業式の最初の話では、イエスの慎みに倣える4つの点を取り上げました。

ここではもう1つの点を考えたいと思います。

自分の限界をわきまえることと関係があります。

それは、他の人の限界に配慮する、という点です。

この点でも、イエスは完全な手本を示しました。

マタイ 3:16に述べられていることに注目しましょう。

イエスがバプテスマを受け、水から上がった後のことが述べられています。

そこには、「天が開[いた]」とあります。

どういう意味ですか?

「最も偉大な人」の本にはこう書かれています。

「それは、イエスがバプテスマを受けておられたとき、人間になる以前の天における生活の記憶がよみがえったということを意味するようです。こうしてイエスは今、人間となる以前の期間に、天で神がイエスに語られたことを含め、エホバ神の霊の子としてのご自分の生活を完全に思い出されます」

驚くようなことが述べられています。

想像してみてください。

完全な人間であるイエスの脳に、人間になる前に過ごした非常に長い期間の記憶が、いっぺんに戻ってきました。

イエスはその期間に数え切れないほどの経験をしました。

エホバのそばで「優れた働き手」として奉仕しました。

「エホバの軍の長」としても奉仕しました。

エホバの代弁者としても奉仕しました。

天使長ミカエルとしても奉仕しました。

ですからこの時、史上最大量の情報がダウンロードされたのです。

何を学べますか?

ギレアデでは、皆さんにもたくさんの情報がダウンロードされました。

イエスほどではありませんが、5カ月で大量の情報がダウンロードされたはずです。

では、イエスはダウンロードされた膨大な情報を、どのように活用しましたか?

他の人にどのように伝えたでしょうか?

知っていることを何でもかんでも伝えて、圧倒させたりしませんでした。

そうすることもできました。

でも決してそうはしませんでした。

いつも人々の限界に配慮し、深い思いやりを示したのです。

イエスは、ヨハネ 16:12で弟子たちに何と言ったでしょうか?

こう言いました。

「あなたたちに言うべきことがまだたくさんありますが、あなたたちは今はそれを理解できません」

イエスは膨大な知識を持っていましたが、弟子たちの限界に配慮し、思いやりを示しました。

素晴らしい手本です。

イエスは完全でしたが、完璧主義者ではありませんでした。

他の人に完全さを求めなかったのです。

人の間違いや欠点や弱さを許しました。

どんなときにも人々の限界を認め、決して無理なことは要求しませんでした。

もう1つの例を考えましょう。

イエスは、弟子たちが時には群衆から離れて、休息する必要があることを理解していました。

では、ギレアデ卒業生の皆さんはイエスに倣い、どのように他の人の限界に配慮できますか?

皆さんは5カ月にわたり膨大な情報をダウンロードしましたが、その情報を使う際、慎みを示してください。

相手が理解できないほど多くの情報を伝えないようにしましょう。

相手の限界に配慮してください。

程度の差はありますが、みんな限界があります。

学んだ良い事を、少しずつ伝えるようにしてください。

相手が理解できないほど多くの情報を伝えることがないよう気を付けましょう。

長い道のりでも、少しずつ進めば目的地に到着できます。

区域の人や会衆の兄弟姉妹やベテル家族に、学んだ事を少しずつ伝えましょう。

過去5カ月間に勉強した事を活用して、他の人を助けてください。

完全さを期待せず、欠点を許すようにしましょう。

完全なイエスが完璧主義者ではなかったのですから、不完全な私たちは人の不完全さをなおのこと許すべきです。

皆さんはきっとそうしていかれると思います。

イエスに倣い、人の身体的、感情的な限界に配慮し、思いやり深くあってください。

イエスの慎みに倣える点を全部で5つ考えました。

簡単に振り返ってみましょう。

(1)自分の権限には限界があることを認め、その範囲内で行動します。

(2)エホバに比べて自分が取るに足りない存在であり、エホバがはるかに偉大であることを忘れないようにします。

(3)少なくとも今は知る権限のない事柄があり、中にはずっと知らされない事柄もあるかもしれない、ということを忘れないようにします。

(4)自分ではなく、エホバに全く頼る必要があることを、いつも自覚していたいと思います。

(5)今考えたように他の人の限界にいつも配慮します。

この5つの点でイエスの慎みに倣うなら、エホバはイエスを愛したように私たちをも深く愛してくださいます。

同じように愛してくださるのです。

私たちはどこに行くとしても、どんな務めを与えられるとしても、イエスのようにいつも人を爽やかにする存在でありたいと思います。

動画リンク

JW.ORG で見る(別ウィンドウ)