149期ギレアデ卒業式「冒頭の話」 - サミュエル・F・ハード

テキスト

今回のギレアデのクラスは、世界中に広がる異例な事態の下で開かれました。

ベテル家族の皆さんはそのことをよくご存じです。

でも、このプログラムは世界中の兄弟姉妹に配信されるので、皆さん全てに状況をご説明します。

よくご存じのように、今は大変な状況です。

世界的なパンデミックです。

今回のクラスはどんな点で特別でしたか?

通常、ギレアデのクラスには50人ほどの生徒がいます。

でも、149期のクラスには25人だけでした。

異常なクラスでした。

なぜですか?

ご存じかもしれませんが、世界中の兄弟姉妹のために理由を説明したいと思います。

今回招待を受けた生徒たちが、ニューヨーク州パタソンのものみの塔教育センターに到着しました。

このクラスの25人の生徒たちは、2020年3月半ばに到着しました。

ご存じの通り、ちょうどその頃、新型コロナウイルスがパンデミックであると認定されました。

渡航が制限されたため、残りの生徒たちは来ることができませんでした。

教育機関の活動も制限されたため、149期は延期を余儀なくされました。

生徒の皆さんは、パタソンで待機しなければなりませんでした。

幸い、多くの皆さんはその間、リモートで自分の支部の仕事をすることができました。

その後、ニューヨーク州では、教育機関が授業を再開することが許可されました。

条件はフィジカル・ディスタンスを保つことです。

生徒が25人だけだったので、一番大きな教室を使えば可能でした。

それで、今日は25人の「異常」な生徒たちが卒業することになります。

もちろん、生徒が異常なのではありません。

生徒の数が異常なのです。

実際、皆さんの教訓者からお聞きしたところによると、皆さんはとても「正常」です。

教訓者たちは、皆さんの信仰や、キリストのような人柄に感銘を受けました。

皆さんは熱心に勉強し、討議に活発に参加しました。

この特別な日を共に迎えられたことをうれしく思います。

このギレアデの卒業式にはもう1つ「異常」な点があります。

皆さんは、この特別なイベントに家族や親しい友人を招くことができませんでした。

でも、教育委員会は、家族や友人の皆さんがストリーミングで一緒にプログラムを楽しむことができるよう取り決めました。

また、うれしいことにこのプログラム全体が録画され、JW Broadcastingのマンスリープログラムになります。

承認されている全ての言語で視聴できます。

149期の生徒について、いくらかお知らせします。

25人の生徒のうち、夫婦は8組、独身の兄弟は7人、独身の姉妹は2人です。

今も独身だと思います。

学校に来る前、全員、支部事務所か遠隔翻訳事務所で働いていました。

生徒たちは、14の国から来ました。

29の言語を話します。

平均41歳です。いい年齢です。

44年前、私も41でした。

全時間奉仕年数は平均20年です。

ギレアデは、聖書に出てくるイスラエルの地名です。

「ギレアデ」という名称は、「証しの小山」を意味するヘブライ語に由来しています。

この学校が設立された1943年当時、「ギレアデ」は適切な名称でした。

教訓者の1人は、学校の目的が「福音宣明の業をさらに行ないたいという強い願いを生徒たちに植えつけること」だと言いました。

何十年もの間、大勢の宣教者たちが、世界中の新しい区域に遣わされてきました。

その間、名前の通り、多くの「証し」が行われてきました。

しかし、2011年に統治体はギレアデの目的を調整しました。

以前は、新しい区域で伝道することに力を注いでいましたが、カリキュラムの目的が変わりました。

先ほど述べた通り、生徒たちは全員支部事務所や遠隔翻訳事務所で奉仕していた兄弟姉妹です。

現在のギレアデの目的は、割り当てられた場所で神の民を強め、安定させることができるよう生徒たちを訓練することです。

では、非常に重要な福音伝道はどうなりますか?

「証しの小山」としての活動を誰が支えますか?

王国福音伝道者のための学校の生徒たちです。

各支部委員会が、資格のある開拓者を選びます。

伝道活動の助けが必要な地域で進んで奉仕する気持ちがある兄弟姉妹です。

支部の区域内の大勢の熱心な開拓者によって、今でも「証しの小山」が築かれています。

必要の大きな所でです。

そうした兄弟姉妹は自分の国の文化や。気候や、生活に慣れています。

たいてい、必要の大きな所で使われている言語を話せます。

でも、ギレアデを卒業する25人の皆さんは、割り当てられた場所で神の民を強め、安定させることが期待されています。

これは、どういうことでしょうか?

兄弟たちは、やがて多くの責任を与えられるかもしれません。

でも、皆さんは別の方法でも兄弟姉妹を安定させることができます。

25人の皆さん全員ができることです。

兄弟も姉妹もです。

皆さんは、ある意味で高い場所に来ました。

実際、聖書の地ギレアデは、高低差が非常に激しい所です。

ギレアデは、ヨルダン渓谷の地点では海面より210メートル低くなっています。

でも、東の方へ進み、ギレアデのドーム状の山地に行くと、標高は1000メートル以上になります。

非常に起伏の激しい所です。

皆さんはギレアデに来た時、海面より下にいました。

でも、毎日聖書を学んで授業を聞き、高い所に来ました。

この5カ月間で、皆さんの信仰は成長しました。

エホバとの絆も強まりました。

いっそう、キリストのような人柄になりました。

高い所に来ました。

皆さんは割り当てられた場所で「証しの小山」というよりは、「手本の小山」になる必要があります。

そのようにして、支部で共に働く仲間や会衆で奉仕する兄弟姉妹を強め、安定させることができるのです。

申命記 8:17, 18を見てみましょう。

忘れないでください。

今得ている力や豊かな富は、皆さんがもともと持っていたものではありません。

エホバがそうしたものを与え、成長させてくれたのです。

申命記 8:17, 18を読んでみましょう。

「もしあなたが、『自力で、自分の手の力でこの富を築いた』と心の中で言うようなことがあれば、次のことを思い出しなさい。あなたの神エホバが、力を与えて富を得させてくださっているのであり、それは今日のように、父祖たちに誓った契約を実行するためなのです」

今日皆さんは、ギレアデ149期を卒業します。

では、「神エホバが力を与えて……くださっている」ことを忘れないでください。

そうすれば、兄弟姉妹を強め、安定させることができるでしょう。

動画リンク

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