聖書は素晴らしい本です。
読むのがとても楽しい本です。
この話では、聖書をもっと楽しく読むためのヒントをお伝えします。
1つ目です。
細かな点を素通りしないでください。
立ち止まって、調べてみると、思いがけない発見があるかもしれません。
1つの例を考えましょう。
歴代誌第一を読んでいるとします。
この書には多くの名前が出てきますが、その中にヘマンという人がいます。
たくさん読むことばかり考えているなら、気に留めずに次の聖句に進んでしまうでしょう。
でも、じっくり読んでいれば、名前の横の相互参照に気付きます。
歴代第一 6:33です。
あなたは調べてみることにします。
そうすると、エホバにいっそう引き寄せられます。
やってみましょう。
歴代第一 6:33です。
どうぞお開きください。
33節を読みます。
「この奉仕を子たちと共にした人は次の通りである。コハト氏族の歌い手ヘマン、ヘマンの父はヨエルで、順にさかのぼるとサムエル」
ですから、ヘマンはサムエルの孫でした。
この家族についてどんなことを知っていますか?
父親のヨエルと叔父のアビヤは裁き人でした。
評判が悪い人たちでした。
お金を積む人は有利に扱い、貧しい人には冷淡でした。
国中の人たちがそのことを知っていました。
聖書によると、ある時「イスラエルの長老の皆が……サムエルの所にやって来[て]」、ヨエルとアビヤにはもう裁いてほしくない、と言いました。
王を求めました。
エホバは不快に思いました。
もちろん、ヨエルとアビヤのことも不快に思ったでしょう。
想像してみてください。
ヨエルとアビヤのしていたことは、ヘマンの家族の評判を傷つけたのではないでしょうか?
でも、ヒゼキヤと同様、ヘマンは父親の悪い手本には倣いませんでした。
エホバに忠実に仕え、エホバとの友情を育てました。
なぜそう言えますか?
手掛かりがあります。
相互参照を幾つかたどると、歴代第一 25:5に行き着きます。
見てみましょう。
歴代第一 25:5です。
この聖句から、ヘマンについて何が分かるでしょうか?
こうあります。
「これらの人は皆、真の神に関する幻を王に伝えて神をたたえるヘマンの子である。真の神はヘマンに息子14人と娘3人を与えた」
気付きましたか?
ヘマンは「幻を王に伝えて」いました。
どういうことですか?
預言のようなものです。
考えてください。
サムエルは預言者でした。
そして、ヘマンも預言者でした。
どう思いますか?
エホバは、祖父サムエルに好意を示したように、ヘマンにも好意を示しました。
エホバは、父が罪を犯したからといって、子を厳しく扱うことはありません。
とても励みになるのではないでしょうか?
この例を使って、誰かを励ますことができますか?
全時間奉仕をしている兄弟姉妹の中にも、大変な家庭環境で育ち、自分には価値がない、と感じている人がいるかもしれません。
ある姉妹はそう感じていました。
メアリーと呼ぶことにします。
父親が暴力を振るったので、時折、メアリーは母親ときょうだいと一緒に夜中に逃げなければなりませんでした。
近所でも、大変な家族という評判でした。
それだけでなく、貧しい家族でした。
メアリーは自分には価値がないと感じていました。
でも、ある日、エホバの証人と聖書を学ぶようになりました。
メアリーはエホバとの絆を強め、エホバをお父さんと思えるようになりました。
今では、開拓奉仕をしています。
メアリーはどう感じていますか?
こう書いています。
「エホバはご自分の友になりたいと思っている人をいつも探しています」
次が感動的です。
「小さな子供たちの心も見ています」
いいですね。
2つのことを学べます。
ヘマンの例から分かる通り、人生は家庭環境で決まるわけではありません。
エホバは私たち一人一人を見ています。
長老たちは何を学べますか?
エホバに倣い、一人一人を見るようにしましょう。
この家族はこうだ、と決め付けないでください。
2つ目の点です。
想像力を働かせると、聖書をもっと楽しく読めます。
聖書のドラマを作る時には、このような想像力が必要です。
1つの例を考えましょう。
王妃エステルと王の息子です。
ストーリーはご存じでしょう。
クセルクセス1世と思われるアハシュエロス王は、ワシテ王妃を不快に思い、新しい王妃を迎えることにします。
それで王は、ペルシャ帝国全体に布告を出し、美しい女性たちを宮殿に連れてこさせました。
エステルはその1人です。
ヘガイという人がその女性たちを世話します。
女性たちが王の前に出られるようにするためです。
エステル 2:9を読むと、トラブルの予感がします。
読んでみましょう。
読みながら、どんなトラブルが起きそうか、考えてみてください。
エステル 2:9
ぜひ想像力を働かせてください。
こうあります。
「ヘガイはこの娘[エステル]が気に入り、好感を持った」
考えてみてください。
周りはみんなライバルです。
競争です。
ヘガイは「すぐに美容のためのマッサージと食事の手配をし」ました。
食事? これはいつかじっくり調べたい点です。
エステルはユダヤ人でした。
ユダヤ人であることを隠していました。
食べてはいけない物がたくさんあったのに、どうしていたんでしょうか?
それはまたいつか考えましょう。
ヘガイのしたことについてこう述べられています。
「王の家から選ばれた7人の娘を付けた。また、エステルとその付き人たちを女の家の最も良い所に移した」
問題に気付きましたか?
特別扱いです。
ライバルのお妃候補たちは、恐らくエステルを相当ねたんだことでしょう。
ヘガイは、エステルが王に気に入られるよう、あらゆる手を尽くします。
どうなるでしょうか?
トラブルになりかねない状況です。
別の問題もあります。
王の妻たちです。
王妃は1人だけですが、妻はたくさんいました。
330人いたともいわれています。
ワシテが退けられた後 「次に王妃になるのは自分だ」と考えたのは誰だと思いますか?
第2夫人です。
でも、王は妻や側室ではなく、王家の血筋でもない外部の女性を王妃にしようとしました。
王の妻たちはどう感じたでしょうか?
ほかにもあります。
ある学者たちによると、ワシテは王妃の立場から退けられた後も、宮殿に住み続けました。
王に会うことができなくなっただけです。
もしワシテが宮殿にいたとしたら、裏で何か画策したでしょうか?
だとしたら、とても大変な状況だったでしょう。
でも、エステル 2:15にはとても興味深いことが書かれています。
15節の最後を読んでみましょう。
エステル 2:15の最後です。
こうあります。
「その間ずっと、エステルを見る人は皆、好感を持った」
エステルは地雷を踏まなかったのです。
何が分かりますか?
エステルは美しいだけではなく、神に倣った魅力的な性格の女性だったのです。
さて、王の息子についても考えることになっていました。
王の息子、後継者は誰でしたか?
昨年の夏に大会で見た人です。
ネヘミヤに親切にした人です。
アルタクセルクセスです。
歴史家たちの言う通りであれば、エステルがアハシュエロスと結婚した時、アルタクセルクセスは3歳でした。
歴史家たちによると、アルタクセルクセスはペルシャの王たちの中でも性格が良かったといわれています。
怒りっぽい父親とは違い、温厚で親切だったようです。
興味が湧きます。
アルタクセルクセスがそのような性格だったのは、エステルと何か関係があるのでしょうか?
もしかしたら、そうかもしれません。
イメージが膨らみます。
想像力を働かせましょう。
今日取り上げた例は、特に大発見というわけではありません。
でも、細かな点を調べて想像力を働かせると、聖書を読むのがもっと楽しくなります。
これがポイントです。
もし聖書を読むのが楽しければ、毎日欠かさず聖書を読みたいという気持ちになることでしょう。
楽しんでください!