149期ギレアデ卒業式「『歩くにつれて力を得』る」 - マーク・ヌマール

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今日は、大切な皆さんにお話しできてとてもうれしく思います。

この日に至るまでの道のりは楽ではありませんでした。

この話では、皆さんがしてきた旅を取り上げます。

ギレアデに招待された時から、授業の最初の日を迎えるまでの旅です。

ロックダウンのため、これまでの生徒たちが経験したことがないような試練の旅となりました。

旅の途中で何度も祈り、涙を流すこともあったでしょう。

でも皆さんはがっかりして諦めるのではなく、いっそう強くなりました。

皆さんの旅は、あるレビ族の人の旅に似ています。

詩編 84編に書かれています。

詩編 84編を開いてみましょう。

この人は自分の家からエホバの神殿に向かう間、どんなことを考えたでしょうか?

詩編 84編です。

この部分を読んで、エホバから力を得るとはどういうことかを考えましょう。

そして、その「力を得」続けるには、どうしたらよいかを学びましょう。

まず5節を読みます。

「あなたから力を得る人は幸せです」

何が分かりますか?

「あなたから力を得る」と述べられています。

エホバに力を求める必要があります。

どのようにですか?

神に祈り、神に目を向けることです。

祈ることで、エホバに聖なる力を求め、エホバに目を向けることができます。

力が与えられます。

エホバから与えられる力によって、難しい旅を始めることができます。

ギレアデに招待された時、皆さんはそのような力を得ました。

旅の間、正しい見方を持っていれば、もっと強くなれます。

どんな見方ですか?

では今度は、6節を読んでみましょう。

「その人がバカの谷を通る時、そこは泉に変わります。秋の雨がそこを祝福で包み込みます」

エルサレムに行くルートは幾つもありました。

この人は、バカの谷を通るルートについて述べています。

景色のいいルートではありません。

バカの谷は荒れ果てて乾き切った土地でした。

「バカ」はヘブライ語の「泣く」という言葉に由来しています。

バカという植物から出る樹液は涙のように見えました。

乾き切った寂しい土地で嘆いているかのようでした。

エルサレムまでの長旅の間、実際に涙を流した人もいることでしょう。

でも、このレビ族の人はどうだったでしょうか?

バカの谷を通りながらこう言っています。

6節にこうあります。

「そこは泉に変わります。秋の雨がそこを祝福で包み込みます」

このレビ族の人は、神殿でエホバを崇拝するという喜びに目を向けていました。

乾き切って荒れ果てたバカの谷を歩いていましたが、その景色もこの人には魅力的に映ったのです。

この人の信仰の目には、その乾いた谷は水が湧き出る泉に見えたのです。

こんなことがあるのでしょうか?

ある兄弟が交際中の姉妹に会いに行きました。

姉妹の家に行くには、汚いバスを乗り継ぎ、混雑した地下鉄に乗り、薄汚れた建物の間を歩いて行かなければなりません。

でも兄弟には、全てが美しい景色に見えました。

愛する姉妹に会うことができるからです。

詩編 84編に出てくるレビ族の人も、荒れ果てた景色の向こうにあるエホバの祝福を見ることができました。

エホバの神殿で奉仕する素晴らしい時のことを考えて力が湧いてきました。

バカの谷も美しい場所に見えました。

一番愛する場所に通じる道だからです。

エホバの祝福に目を向けているその人はどうなるでしょうか?

7節です。こうあります。

「その人は歩くにつれて力を得、シオンの神の前に立ちます」

「力を得」るとはどういうことですか?

この人は涙の谷に来た時、不安を感じていたかもしれませんが、真の崇拝を愛していたので、歩くにつれて力を得ていきました。

自分の奉仕にエホバが目を留めて祝福してくれると確信していたのです。

エホバは、そのような方法でこの人に力を与えました。

でも、やがて神殿に着いた時、実際にエホバ神の前に出ることができ喜びました。

そして、エホバの豊かな祝福を感じ、ますます力が湧いてきました。

歩くにつれて、エホバからさらに大きな力を与えられたのです。

つまりこの人は、旅を始める前よりもいっそう強い人になることができたのです。

皆さんのギレアデまでの旅は、これまでの生徒たちの旅とは異なっていました。

景色の良いルートではありませんでした。

でも、エホバの力のおかげで先を見ることができました。

部屋に隔離されても、ロックダウンになっても、クラスが延期されても先を見続けました。

バカの谷の乾き切った土地の先を見ました。

そしてエホバがご自分の民を祝福するのを見ました。

統治体が世界中の兄弟姉妹に忠実で思慮深い指示を与えた時、皆さんはここにいました。

その目で見ました。

皆さんはここに来るまでの間、いわばバカの谷を歩き、さまざまな問題のため不安を抱えていたかもしれません。

でもエホバの力によって、以前よりも強くなり、エホバ神の前に立つ用意ができました。

組織の訓練を受ける用意ができたのです。

そしてついに、学校が8月に始まるという発表を聞きました。

今でもよく覚えています。

皆さんが初めて教室に入ってきた日のことです。

皆さんは席に座り、生徒用のバインダーを開きました。

聖書を机に置きました。

皆さんの目はこう言っていました。

「やっとここにたどり着いた」

そして毎日、授業が行われました。

エホバの力によって皆さん全員が1日も欠かすことなく授業に出席しました。

素晴らしいことです。

皆さんは意欲にあふれ、毎日一生懸命勉強しました。

熱心な取り組みに感謝しています。

それで、授業で学んだことを忘れないでください。

そして旅で学んだことも忘れないでください。

将来、新しい割り当てを受けるときもです。

途中で問題にぶつかり、落胆し、涙を流しても、先を見続けましょう。

バカの谷を泉に変えてください。

そうすればもっと強くなれます。

そのためには祈りが欠かせません。

エホバに祈って聖なる力を求め、エホバに目を向け続ける必要があります。

どうか忘れないでください。

割り当て自体はゴールではありません。

割り当てはゴールに到達するための通過点にすぎません。

ゴールはエホバの祝福を得ることです。

この点を心に留めていれば、問題にぶつかってもエホバの助けによって全く違う景色に見えます。

乾き切った土地に水が流れ、悲しみの涙が喜びの涙に変わります。

歩くにつれて、エホバからの「力を得」ることができます。

エホバが与えてくれる力を得続けるなら、いっそう強い人になることができます。

エホバはあなたが大変な谷を歩けるよう助けるだけではなく、これからの割り当てを果たせるよう力を与えてくれます。

エホバ神の前に立つ用意ができ、エホバの祝福を味わうことができるのです。

まとめです。

問題は多くてもバカの谷を通っていってください。

「穏やかな海では良い船乗りは育たない」と言われます。

楽な道を選ぶのではなく、問題に取り組んでください。

問題を乗り越えることで、天のお父さんエホバをいっそう身近に感じることができます。

バカの谷を「歩くにつれて力を得」ることができるのです。

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