少し昔話をします。
1972年3月6日、月曜日のことです。
生徒の皆さんのほとんどはまだ生まれていなかったでしょう。
でも1人は生まれていたことを知っています。息子ですので。
インサイド・ストーリーではなく、内輪話です。
それはともかく、その時私たち夫婦は、ものみの塔ギレアデ聖書学校の卒業式に出席しました。
当時はベテル奉仕者でもなければなかなか出席できませんでした。
第52期のクラスです。
ニューヨーク市の大会ホールです。
大勢出席していました。
とても楽しかったです。
貴重な経験でした。
第52期の素晴らしいプログラムを楽しむことができました。
今日の卒業式は、あれから約100回目の卒業式です。
第150期のクラスです。
でも今はうれしいことに、大勢の人がライブ配信を楽しむことができます。
何カ月かすると世界中の兄弟姉妹もこのプログラムを視聴できます。
今はみんなで楽しむことができます。
でも当時はなかなか出席できませんでした。
その卒業式で司会を行ったのは、ノア兄弟です。
兄弟はギレアデに強い愛着があったに違いありません。
エホバはノア兄弟を用いてギレアデ学校が始まるようにしました。
1943年です。
野獣である国際連合が現れることを知っていたエホバは、兄弟たちを導いて「宣教者の学校を始めよう」と言います。
長年宣教者を送り出してきました。
その卒業式で聞いた忘れられない話があります。
フランズ兄弟の話です。
以前にヤンキー・スタジアムで兄弟の話を聞いたことがありましたが、大会ホールだったのでもっと近くで聞けました。
私は話にくぎ付けになりました。
皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、兄弟は素晴らしい話をします。
聖句もたくさん覚えています。
私はみんなによくこう言っていました。
「フランズ兄弟の話はよく注意して聞いていないと付いていけないよ。置いていかれちゃうよ」
でもよく注意して聞くと、本当に感動します。
兄弟の心に書かれていることがあふれてくるような話です。
伝道の書 5章に基づく話です。
皆さんにもお伝えしたいと思います。
きっと役に立つと思います。
誓いについての話です。
最初の7節の中で、夢という言葉が出てきます。
その夢に関する説明を聞いて驚きました。
兄弟は話の中で、この夢というのは、私たちが寝ている間に見る夢のことではないと言いました。
自分一人で伝道の書を読んでそのことを理解するのは、なかなか難しいと思います。
これは自分のしたいことに夢中になって、気を散らされてしまうことです。
そういう夢に人々は夢中になっています。
それは「むなしいこと」です。
聖句にある通りです。
ではこれから、生徒や他の皆さんとご一緒に、伝道の書 5章を読んで、役立つ点を幾つか考えたいと思います。
よかったら後で時間を取って、「リサーチガイド」を調べてみてください。
そうすれば、伝道の書の知恵の言葉をいっそう深く理解できます。
フランズ兄弟はこう言いました。
1節には「自分の歩みに注意を払いなさい」とあります。
もうすぐ卒業する皆さんにも当てはまります。
エホバからのアドバイスです。
忘れないようにしましょう。
これまで同様、これからも「自分の歩みに注意を払[ってください]」。
道徳面で「愚かな人」についても述べられています。
皆さんはそうではありません。
そうならないように注意しましょう。
私が特に好きなのは2節です。
「急いで口を開いてはならない」
世の中にはこのアドバイスが必要な人がたくさんいるのではありませんか?
いつまでも延々と話し続ける人がいます。
止まりません。
きっと寝ている間もしゃべっているんだと思います。
黙っていられないんでしょう。
とにかく「急いで口を開[かない]」ようにしましょう。
特にエホバに話す時です。
みんなの前で話す機会が多い兄弟たちは覚えておくとよい点です。
でも姉妹たちもエホバに祈る時、急いで口を開かないようにしてください。
宇宙の主権者に話しているからです。
言葉をよく選ぶようにしましょう。
でも高尚な言葉を使う必要はありません。
エホバが注目しているのは誠実な心です。
エホバを愛する人をエホバは愛されます。
どの言語で捧げられる祈りにも耳を傾けてくれます。
3節には「心配事があまりに多いと夢を見ることになる」とあります。
脚注には「何かで頭がいっぱいだと」とあります。
ですからここで言われているのは、文字通りの夢ではなく、自分のことで頭がいっぱいになることです。
そうならないようにと言われているのです。
注意しましょう。
よく注意して、自分のことで頭がいっぱいになってしまわないようにしましょう。
そうなっている人はよくしゃべります。
ぜひ注意しましょう。
皆さんはこれからみんなの前で祈る機会が増えるでしょう。
おそらくこれまで以上にそういう機会が与えられると思います。
エホバに祈りを捧げる時、時折あることですが、もちろん祈りについて助言したり批判したりしたいとは思いませんが、ベテルで捧げられる祈りについてもこう思うことがあります。
「早く朝ごはん食べたいんですけど」
よくみんなに言うんですが、イエスのことを思い出してください。
イエス・キリストは、地上で生活した最も雄弁な人です。
そのイエスでさえ、食事の時は「天に目を上げて」、「感謝して」、「アーメン さあ食べましょう」。
もちろん自分の気持ちを全部エホバに伝えたいときもあるでしょう。
でもみんなに聞いてもらう必要がありますか?
祈りはエホバに捧げるものです。
こうは考えないでください。
「私はギレアデ卒業生なんだから[特に兄弟たちの場合ですが]、長い祈りをしよう」
これはいただけません。
そういうのは1人の時にお願いします。
その後、フランズ兄弟は大切なことを話しました。
私たちが心に留めておくべきことです。
4節からです。
4節と5節を読んでみましょう。
「神に誓約したなら先延ばしせずに果たせ。愚かな人は喜ばれないからだ」とあります。
そしてこう書かれています。
「誓約は果たせ」
「誓約は果たせ」
そして「誓約して果たさないよりは誓約しない方がよい」とあります。
身の引き締まるアドバイスです。
さらに「口を滑らせて罪を犯してはならない」とあります。
ですから誓約を守る必要があります。
既婚者であれば結婚の誓いです。
その誓いを守らなければなりません。
エホバはそのことを重視しています。
何かを誓約するなら、エホバの前で責任を負うということを忘れないでください。
6節を読みましょう。こうあります。
「口を滑らせて罪を犯してはならない。天使の前で間違いでしたと言ってはならない」
考えてみてください。
天使の前でです。
エホバに仕える天使はたくさんのことをしているはずです。
でも私たちは天使がしていることをほとんど知りません。
私たちがすることにどのように関わっているかも分かりません。
でもこの聖句によると、天使たちは私たちが誓約を守るかどうかを見守っています。
ですから、天使にこうは言えません。
「すみません、間違いでした。許してください」
そうは言えません。
あなたが誓約したのです。
でも私たちが誓約を守るのは、天使に監視されているからではありません。
誓約を守るのは、エホバを愛しているからです。
結婚であれ何であれ、誓約を守るのはエホバを愛しているからです。
それが誓約を守る動機です。
エホバへの愛です。
エホバはそれを重視しています。
では最後に、7節を読んでみましょう。
「心配事が多いと夢を見ることになり、同じく言葉が多いと、むなしい結果に至る」
確かにその通りです。
皆さんは学校で、神の言葉聖書をよく学びました。
この学校は本当に特別です。
ギレアデは特別な学校です。
SKEなどほかの学校もあります。
後でその点を取り上げたいと思います。
でもギレアデで、エホバが教育委員会を通して任命した教訓者たちから学べるのは素晴らしいことです。
教訓者たちは自分の全てを尽くしてエホバに仕えています。
学校中、皆さんを教えるために力を尽くしました。
皆さんは聖書からたくさんのことを学びました。
徹底的に学ぶことができました。
本当に特別な機会です。
このような教育を受けられたことをエホバに感謝し、学んだことを活用してこれからも、いっそうエホバを賛美してください。
聖句でもそのようなことが勧められています。
7節の最後の文です。
「真の神を畏れなさい」
これから卒業する皆さん、この言葉を忘れないでください。
これからも「真の神を畏れ」てください。
そして、ここにあるような夢を見ないでください。
自分のことで頭がいっぱいになりそうになったらどうしますか?
振り払ってください。
きっぱり退けましょう。
そうしないと、今まで受けた教育が無駄になってしまいます。
そうなったら残念です。
もちろん、皆さんにそういう傾向があるということではありません。
でも聖書に書かれている神のアドバイスに従うのは賢明なことです。
伝道の書から学べることはほかにもたくさんあります。
ぜひ「リサーチガイド」を使って調べてみてください。