150期ギレアデ卒業式「あなたに教えられた人はどうなりますか」 - マーク・サンダーソン

テキスト

ルカ 6:40でイエスはこう言いました。

「生徒は先生より上ではありませんが、十分に教えられた人は皆、その先生のようになります」

この聖句を読むと、どんなことが思い浮かびますか?

誰かと聖書レッスンをすることが頭に浮かぶかもしれません。

あるいは、ギレアデなどの学校に行って、そこで学ぶことをイメージするかもしれません。

でも私たちは皆、ある意味で先生です。

毎日の生活の中で クリスチャンの生き方を教えているのです。

私たちが何かの責任や奉仕の機会を与えられていれば、兄弟姉妹は私たちに注目します。

一緒に働く人たちは私たちから学びます。

そうした兄弟姉妹は私たちのようになります。

使徒パウロの例を考えましょう。

ご存じの通り、パウロは際立った先生でした。

神の聖なる力の導きを受けて、クリスチャン・ギリシャ語聖書の14の書を書きました。

でも使徒パウロは、別の方法でも人々を教えました。

クリスチャンの生き方という点で素晴らしい手本を示したのです。

ではパウロの手本から何を学べるでしょうか?

具体的に考えましょう。

まず テサロニケ第一 2章を見てみましょう。

テサロニケ第一 2:7です。

パウロはこう言っています。

「乳児を優しく世話する母親のように、穏やかに皆さんに接しました。私たちは優しい愛情を抱き、皆さんに神の良い知らせを伝えるだけでなく、自分たち自身を与えたいと思いました。皆さんを深く愛するようになったからです」

パウロは兄弟たちに一生懸命仕えました。

優しく穏やかに接しました。

パウロは真理のメッセージを伝えるだけでなく、8節にある通り、「自分たち自身」を与えたいと思いました。

そしてパウロは実際にそうしたのです。

「良い知らせのために全てのこと」をするつもりだ とも言いました。

パウロはどんなことをしたでしょうか?

コリント第二 11章を開いて、パウロがどんなことを経験したかに注目しましょう。

コリント第二 11:23です。

「彼らはキリストの奉仕者ですか。私は狂人のように言いますが、私の方がはるかに優れた奉仕者です。私の方がたくさん働き、多く拘禁されました。数え切れないほど殴打され、何度も死にかけました。ユダヤ人たちからむちで39回打たれたことが5度、棒で打ちたたかれたことが3度、石を投げ付けられたことが1度、難船したことが3度あり、一昼夜海上を漂ったこともあります」

パウロはほかにもたくさんの試練を経験しました。

ではパウロと一緒に奉仕した人たちは、パウロからどんなことを学んだでしょうか?

パウロの手本からどんな影響を受けましたか?

神への愛、忍耐、労苦、利他的な態度から兄弟たちは何を学んだでしょうか?

パウロと一緒に奉仕したテモテはどうでしたか?

パウロは何と言っていますか?

フィリピ 2章を読んでみましょう。

フィリピ 2:20。こうあります。

「テモテほど皆さんのことを心から気遣える人は、ほかにいません。他の人は皆、自分のことばかり考え、イエス・キリストのことを考えていません。一方、皆さんも知っている通り、テモテはこれまで立派にやってきました。父親と一緒に働く子供のように、私と一緒に一生懸命良い知らせを広めてきました」

お尋ねします。

テモテがこういう人だったのはなぜですか?

なぜそれほど利他的だったのでしょうか?

他の人にそれほど一生懸命に仕えたのはなぜですか?

テモテは「十分に教えられ」ていたからです。

パウロの言葉だけでなく、手本によって教えられていたのです。

プリスキラとアクラもそうだったに違いありません。

パウロは2人が自分のために命を懸けてくれたと言っています。

なぜそうできたのでしょうか?

パウロと親しくしていた人たちはほかにもたくさんいますが、どんな影響を受けたでしょうか?

パウロの手本から、クリスチャンがどう生きるべきかを学びました。

パウロのようになったのです。

このことが今日ものみの塔ギレアデ聖書学校を卒業する皆さんにとって大切なのはなぜですか?

間もなく学校を卒業する皆さんの役割は何でしょうか?

それは野外や支部の区域を強め、安定させることです。

これは何を意味しているのでしょうか?

野外とか支部の区域とは何ですか?

人々です。兄弟姉妹です。

学ぶ意欲があり 訓練を受けたいと願い、エホバにいっそう仕えるために目標を持って努力し、クリスチャンとして十分に成長したいと思っている、忠実な兄弟姉妹です。

そのような兄弟姉妹はギレアデ卒業生である皆さんに注目し、皆さんの話を聞き、皆さんの示す手本から学ぶことでしょう。

私は以前、必要の大きなニューファンドランド島で奉仕していましたが、同じ会衆にギレアデ第7期の卒業生であるフレッド・ウィーンズ兄弟がいました。

1928年にバプテスマを受け、天に行くよう選ばれた兄弟です。

正直に言うと、ウィーンズ兄弟がした話は一つも覚えていません。

でも兄弟の温かさ、ユーモアのセンス、宣教に対する熱意、人々への愛、そうした素晴らしい手本は決して忘れることができません。

兄弟は伝道で全ての人、文字通り全ての人に話し掛けました。

ある日、一緒に奉仕していた時、ガソリンスタンドに寄りました。

ウィーンズ兄弟はすぐに車を降りました。

出発しようとしましたが、兄弟の姿が見当たりません。

店内にも、トイレにも、どこにもいません。

それで私たちはほかの車の中を捜すことにしました。

すると、兄弟が見つかりました。

兄弟は窓をノックして中に入り、車の中の人たちに伝道していたのです。

ウィーンズ兄弟はすでに天に行っていますが、兄弟の温かさ、親切、熱意、人々への愛といった手本は、今でも私や大勢の兄弟姉妹の心に残っています。

では、次の点を考えてください。

あなたは自分の手本によって何を教えますか?

パウロに倣ってください。

兄弟姉妹を心から愛してください。

皆さんの手本によって、温かさと愛に満ちた雰囲気をつくり出してください。

植物が成長し花を咲かせることができる、温室のような場所をつくってください。

皆さんが良い手本を示せば、会衆、巡回区、支部や部門は、温かな場所になるでしょう。

一般の会社組織には、冷凍庫のような冷たい雰囲気をつくり出す上司がいます。

決してそのような人にはならないでください。

そうした冷たい雰囲気では、植物は成長せず、しおれてしまいます。

ギレアデで学んだ聖書の素晴らしい知識を伝えるだけではなく、自分自身を与え、心を込めて兄弟姉妹に仕えてください。

皆さんと一緒に働く忠実な兄弟姉妹がそのように正しく教えられると、誰のようになりますか?

皆さんのようになります。

素晴らしい神エホバがこれからも皆さんを祝福してくださいますように。

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