西太平洋にあるマリアナ海溝は、世界で最も深い場所として知られています。
どれくらい深いかをイメージするために、高さ443メートルのエンパイア・ステート・ビルを積み上げてみましょう。
海底から海面に到達するまでに、エンパイア・ステート・ビルは25個必要です。
海溝は非常に危険な場所でもあります。
なぜですか?
圧力がかかっているからです。
海溝の底に加わる水圧は、1平方センチ当たり1.2トン以上になります。
これは頭の上にジャンボジェット機50機を載せるようなものです。
そんな場所で生物が生きられるはずはないと、科学者たちは考えました。
でもそれは間違いでした。
潜水艇で海溝の底を調査したところ、たくさんの生物が生息していることが分かりました。
辛うじてではなく、力強く生きていました。
なぜそんなことが可能なのでしょうか?
全ての物を造ったエホバは、圧力に耐える生物を造る方法も知っています。
圧力に対処する方法を知っているのです。
そのことを考えると安心できます。
なぜですか?
今の体制の圧力はますます強くなっているからです。
誰もがストレスや不安や心配事を抱えています。
聖書はそうした圧力がますます増えていくと述べています。
でもうれしいことにエホバは、私たちが辛うじて生きるのではなく力強く生きられるように助けてくれます。
想像してみてください。
あなたは圧力を受けています。
周りの人たちから憎まれています。
あなたを殺そうとして追い掛けてきます、
それだけではなく、あなたを中傷し、あなたについてのうそを広めています。
あなたの評判はズタズタです。
人々はあなたがやって来ると、向きを変えて逃げていきます。
あなたが殺される時、巻き添えになりたくないと思っているからです。
どこに行っても危険と隣り合わせです。
恐ろしい状況です。
こうした状況の中で、あなたは気がめいっています。
以前の失敗のことばかり考えてしまいます。
体調も悪くなっていきます。
夜も眠れません。体力も続きません。
疲労困憊してしまいます。
ダビデはまさにそういう経験をしていました。
詩編 31:10-13に書かれています。
間違いなく、圧力を感じていました。
とてもつらい気持ちでした。
それも当然です。
でもダビデを気遣っている方がいました。
それはエホバです。
ですから、ダビデはエホバに助けを求めることができました。
ダビデが詩編 31編で何と言っているか見てみましょう。
ダビデは謙遜な祈りを捧げています。
詩編 31:14からです。
「エホバ、あなたに頼ります。
私は言います、『あなたは私の神です』。
私の日々はあなたの手の中にあります。
敵から、迫害する人から私を助け出してください。
笑顔を私に向けてください。
揺るぎない愛を示して救ってください」
ダビデは経験から、試練の時に神に頼ることや、気持ちを神に全て打ち明けることの大切さを学んでいました。
また、エホバに祈り、エホバを100パーセント信頼し辛抱すれば、エホバが必ず祝福してくれることを確信していました。
非常に大きな圧力を受ける時に、辛うじて生きるのではなく力強く生きるには、内面の強さが必要です。
外からの圧力に耐えるためです。
内面が強ければ、どんな圧力を受けても持ちこたえることができます。
ダビデはいわば内圧を高めることができました。
つまり、内面の力を得ることができました。
外からの圧力に耐えるだけの勇気と力を得ることができたのです。
そう言えるのはなぜですか?
詩編 31編をもう一度見てみましょう。
21節を見ると、ダビデが明るい気持ちになったことが分かります。
「エホバが賛美されますように。
包囲された町にいる私に、神は素晴らしいことを行って揺るぎない愛を示してくださった」
23節
「エホバを愛せ。神に尽くす全ての人たち。エホバは忠実な人を保護する」
そして24節にはこうあります。
「勇気を出し、心を強くせよ。エホバを待つ全ての人たち」
何が分かりますか?
ダビデの祈りは聞き届けられました。
ダビデは信仰を示し、辛抱したので、エホバは祈りを聞き届けてくれました。
ダビデはエホバを愛しました。
エホバはダビデが力強く生きられるよう助けました。
それだけでなく、喜びも与えました。
後にダビデは、さまざまな奉仕の機会を与えられ、喜びや幸せを味わいます。
何を学べますか?
(1) ダビデはエホバに揺るぎない信仰を持っていたので、圧力に耐えることができました。
(2) ダビデはエホバとの強い絆を持っていたので、エホバを辛抱強く待ちました。
(3) エホバはご自分に助けを求める謙遜で忠実な人に、揺るぎない愛を示し、圧力に耐えられるよう助けてくれます。
それだけではありません。
ダビデがどん底で経験したことは他の人の助けになりました。
ヨナは、大きな魚の腹の中にいた時に詩編 31編の言葉を引用しました。
エレミヤも、さまざまな問題にぶつかった時に、詩編 31編にあるような表現をよく使いました。
神の子イエス・キリストが杭に掛けられている時に最後に発した言葉は、詩編 31:5の引用でした。
この部分を何度も思い巡らしていたに違いありません。
ダビデ、ヨナ、エレミヤ、イエス、そしてほかにも大勢の人たちが、エホバに頼りました。
エホバはご自分に頼る人が圧力に耐えられるよう助けました。
あなたのことも助けてくれます。
では、まとめです。
圧力がどれほど大きいかが問題なのではありません。
問題は、圧力によってどんな影響を受けるか、ということです。
圧力を受けて、エホバとの絆が弱まることがないようにしてください。
エホバへの崇拝や奉仕が妨げられないようにしましょう。
そのように努力すれば、圧力を受けても、それを天のお父さんエホバとの絆を強める機会にできるでしょう。
マリアナ海溝に生息するたくさんの生き物から、どんなことを学べますか?
エホバが圧力に耐えるものを造る無限の能力を持っている、ということです。
エホバに祈り、頼り、辛抱するなら、エホバは必ず祝福してくれます。
問題はいずれなくなります。
ですから、エホバとの絆を保ってください。
そうすれば、圧力の下でも辛うじて生きるのではなく、力強く生きることができます。